第3話

帰宅した。

親父は多分、家で仕事をしている。


「どうして、作家になったの?」

子供ころに尋ねた。


「出無精だから、電車通勤してくないから」

安直な・・・

まっいい。


さてと

どんな人がいるのかな?


初対面のはずだ。

そう親父は言っていた。

本当ならの、話だが・・・


玄関を開ける

「お帰り」


突然の声に驚く。

見上げると、えらい美人がそこにいた。

いや、美人すぎる


ミスコンに出れば優勝という意味ではない。

なんていうか・・・

さわると、消えてしまうような・・・


「君が、冥くんね」

「そうですが・・・お姉さんが、今日から来るという・・・」

「そう。メイドの芽衣。屋敷芽衣。同じ名前だね」

「・・・そうですね・・・」


固まってしまった。


「私は、今日から住み込みで君のお母さんから、いろいろと教わるわ」

「訊いています。その代わり・・・」

「ええ。君の面倒を見る。よろしくね」


差し出された手を握る。

ひんやりとしている。

冷たい手だ・・・


「でも、どうしてメイドなんですか?普通に花嫁修業で・・・」

「ひとつは片書きよ。」

「なら家政婦でも・・・」

「ババ臭くて嫌だ」


それは、失礼です。


「もうひとつは、君の好み?」

「僕の?」

「メイドが欲しいって言ってから・・・」


いえ、一言も言っていません。


「ところで、親父・・・父とは、どういうご関係で・・・」

「私?私は・・・」


そこへ親父が来た。


「俺から話をしよう。せがれの冥」

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