第2話

学校に着く。

教室に着く。

席に着く。


うなだれる。


クラスメイトたちが、それぞれの派閥で談笑している。

話題は、異なる。


僕の高校は共学。

なので、異性の眼を意識する。


女子は、大人しくしているが、もし女子高なら・・・

やめておこう。


「どうした?冥。」

級友の男子が、声をかけてくる。


僕の名前は、楠冥(くすのき めい)

冥王星から取られた。


遠くにいても気付いてもらえるように、そして誇りを持つようにと。親父が名付けた。

だが、その直後に冥王星は、惑星から淳惑星へと、格下げされた。


まあ、別にいいんだが・・・


「古杜(ふると)か・・・」


彼の名は、橘古杜。

冥王星の学名の、プルートから名づけられたようだ。


以下同文


「いや、俺の家にメイドがくるらしくてな」

「よかったな。で、どういう人なんだ?奇麗か?」

「知らん。朝、親父に言われた。まだ会ってない」


古杜は、不思議そうに見る。


「まあ、メイドって言うのは、表向きで実際は花嫁修業らしい」

「花嫁修業?」

「その人が、お袋に教わりたいんだと」

「でも、それならどうしてメイドと・・・」

「さあな。その人の希望らしい。俺の面倒を見ると言う事で、授業料はただなんだと」


何の話をしているんだ?


「同級生だったりしてな。クラスにいたりして」

古杜は言う。


「いや、それなら親父も言うだろう」

「お前の親父さん、作家さんだろ?出版社の方なんじゃ」

「それなら、俺も面識はあるはずだ」


何の話をしているんだ、僕は・・・


まあいい。

帰ろう。

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