第5話試練!

「それで? どうなんだよ部活?」


 俺はいつも通り、倉沢くらさわと、牧野まきのと一緒に弁当を食っていると、急に倉沢にがそんな事を言い出した。


「どうって?」


「おいおい。とぼけんなよ」


と言い倉沢は勢いよく俺の肩にてをかけ顔を近すげる。

 やめろ、顔が近けー。ていうか、弁当が落ちるだろうが。


「お前の部活えーと……何だっけ?」


語手ノベル部だよアッちゃん」


と、そこで牧野がフォローを入れる。

 因みに、倉沢の本名は倉沢彰久くらさわあきひさ。牧野は牧野仁まきのひとしと言う。

 故に、牧野は倉沢をアッちゃんと呼ぶらしい。まぁ、倉沢は嫌がってけど。

 俺もそう言う幼馴染が欲し……いや、いるか。最近会ってないしたまには顔を出そう。

 元気にしてるかなー。

 って、そうじゃなくて!


「まて、何でお前らが俺が部活に入ってる事知ってんだよ」


「そりゃぁ見てたからな」


「うん。それに、先生に聞いた」


あの、教師ー! 普通バラすかよ。


「で、どうってどういう意味だよ。言っとくがまだ何も初めてねーぞ」


「いやいや、俺が聞きたいのは、お前の部活の進捗じゃねーんだよ。まぁ、それも知りたいけど……その前にだ。お前! どうやって矢島綾音さんとあんな関係になったんだよ!」


「は? 綾音がどうしたんだよ」


「はぁーー! テメェ! いつからだ! いつから矢島綾音さんの事を呼び捨てにする関係になった!」


倉沢は、俺の襟首を掴み頭を揺らす。あーー! やめろ脳が、脳がゆれるー!


「あぁ、アッちゃん!」


「ゲボッ、ゲボッ。何だよ綾音ってそんなに有名人だったのか?」


「そうだよ。矢島綾音さん。美人で有名な矢島先生の妹さんだし。

 全国の新体操の大会でベスト4にまでなった結構有名な選手だよ」


へー。けど? 何でそんな奴が語手ノベル部に?


「しかも!! プラスあの容姿だろー。気にならない男子はいねーっての!」


それは、分かるが。多分コイツが思ってるほど乙女じゃねーぞ、アイツ。


「それで! どうなんだよ!」


「どうって言われても」


……うーん。綾音かー。ぶっちゃけ綾音より俺は緑園先輩の方がタイプなんだよなー。まぁ、正確は抜きにして。

 それに……うーん……


「まぁ、悪い奴じゃねーと思う……多分」 


「何だよ。どう言う事だよ」


「あーも、うる」


「あの、桜火輝おうびあきら君いませんか?」


ん? 何だ? ていうか、やけに騒がしいな。主に男子が。

 俺は声のする方に向くとそこには今、話題に上がっていた矢島綾音本人がドアの前にいた。

 綾音は俺と目が合うとニッコリと笑い教室に入り俺の机の前で立ち止まる。


「ハイ。輝。これ、先輩から」


「うん? ありがとう」


俺がそう言うと綾音は俺の方に顔を近づけた。

 えっ? 何? もしかして……

 俺が目を閉じると綾音は俺の耳元で


「前の約束忘れてないでしょうね」


という声が耳元からしい聞こえる。息がかかってくすぐったい。というか、何で俺ドキドキしてんだ? 

 約束ってあれか?


「あ、あぁ。ていうか、アレマジだったんだな」  


「はっ。それって私が冗談で物を言ったって言いたいの?」


うっ。スゲー怒ってる。やべーここで変なこと言ったらパンチが飛んで来そうだ……こうなったら、やる事は一つ!


「いや。というか、俺はお前が忘れてるんじゃ無いかってカマかけただけだっつーの」


ハッタリ! 

 そして、どうやらそれは、綾音に通じたらしい。


「そっ。なら良いのよ」


と耳元から顔をさげる。

 

「じゃ、また部活で」


綾音は笑顔でそう言うがその笑顔に狂気が孕んでいるように俺は感じた。

 アレ? ていうか今、俺結構エロい事してたんじゃー。

 ていうか! それよりも! 何だろう……スゲー視線を……


「アーキラ君!」


「よ、よぉ。どうしたんたんだよ。そんな怖い顔して……」


「死ねー! リア充! 爆破しろー!」


        ♢♢♢


イテテテ。くそー。アイツら結構強めに殴りやがって。


「キャッ」


「オワッ」


やべ! 誰かにぶつかっちまった。

 

「大丈夫ですか?」


「うん。ありがと」


その人は女子だった。全体的に細身な感じだが所々筋肉のあるスポーツマンと言った感じの女子だ。

 俺と……同じ学年……だよな?


「よそ見してると危ないよ」


「ごめん」


「まぁ、良いけど。今度同じ事したら生徒指導室だよ」


「えっ!?」


「学ばない人には罰を与えるべきだと、僕は思うんだよ」


「ま、マジか」


人は見た目によらないって言うのを最近身を通してよく分かる。綾音しかりこの人しかり


「って、言うのは冗談だよ」


だ、だよな。良かった。


「けど、よそ見は厳禁。後」


と言い、その女子は俺の赤くなっている頬を触る。


「喧嘩もほどほどにね。じゃぁ」


と笑いながら俺の隣を避けて言った。

 うーん? この学校にはキャラの強い人が多いよなー。


         ♢♢♢


「こんにちは」


「おっ、来たかー輝」


「まぁ来いって言われたので緑園先輩」


「いいから座ってくれ」


という荒神先輩の言葉に促され俺達は部室の中央に集まった。


「さて、1年には行って無かったが業者の発注ミスでお前らのパソコンが届かない事になった」


「それってかなり不味い事なんですか?」


と、綾音が質問する。


「まぉ別にお前らの携帯で出来ないことも無いんだが、その」


と言い目線で荒神先輩は俺たちに促す。

 俺と綾音はその視線の方に向くとそこには、リン先輩が今にも怒り狂いそうな不穏なオーラーを全身で垂れ流していた。


「という事で、新しいパソコンを俺たちは自力でゲットしなきゃいけなくなった」


「けど? 当てがあるんですか? パソコンの」


「そこは心配無い。アテがある。ただし、その為にお前らにはをしてもらうがな」


「「え?」」


         ♢♢♢


と、いう事で俺と綾音、そしてリン先輩はパソコンの為にパソコン部に向かった。


「え! たまにシナリオ書くって本当ですか?」


「えぇ。荒神とか緑園とか。あと既存のパロディーなら菊一とか依頼受けてたまにね」


「へぇー。なんか、意外。先輩達の事だから自分の小説書いたり、ダラダラしたりするだけかとおもってたらちゃんと部活っぽい事するんですね」


「まぁね。他にも、学園祭なら本作ったりするし」


「へぇー」


「と、着いた。ここが、パソコン部」


パソコン部。

 基本活動はプログラムが主な活動の主旨らしい。そして、その一貫で自作ゲームを作ったりしているらしい。

 まぁ、最近はゲームを作る部っていう認識が強いらしいが……。

 語手ノベル部と中が良いのもゲームを作るときのストーリーや、たまにイラストを渡すからとか。


「失礼します」


返事が無いな。いないのか?


「お邪魔するわよー!」


と、そこに俺の後ろから、俺を押し除ける形でリン先輩が後ろから割って入って来た。


「いるんでしょー! 鷹ノ内!」


と、リン先輩が言った瞬間


「よっしゃー!!」


という声が聞こえた。何だ?


「よし! 星5ゲット。さて、帰りますか」


という声と共に俺達に近づいくる男子が1人。


「おわっ! 誰? お前達?」


その男子は驚いたようにそう言った。どこか眠たげな顔立ちはどこか頼り無さを感じさせる。

 首につけているヘッドホンからは何かのBGMが流れている。


「確保」


えっ! リン先輩の声に俺はつい振り向いた。

 リン先輩は真顔でそう言った。しかも、何故か断れない感がメッチャ出てる。

 それはもう、視認でき程に。


「す、すいません」


俺と綾音はその男子に突撃。 

 イスに座らせるとリン先輩はどこからとも無く持ってきたロープでその男子をグルグル巻きにした。


「えっちょっと! 何これ! 俺は部活が終わって帰りたいんだけど!」


「何が部活が終わって、よ。1人でソシャゲしてのバレバレよ」


「な、何故それを」


それは、まぁあんだけデカい声出したらそうなるわ。


「さて、交渉よ。パソコン渡しなさい」


10分後。

 あの後パソコン部の顧問の先生何かが来て色々あったが取り敢えず事情を話し誤解は解けた。

 まぁ、俺らがイスにしばり開けだのは事実なんだけど……


「成る程。じゃぁとりあえず自己紹介。俺は鷹ノ内ショウ。

 ここの部の部長をしてる。それでパソコンの事なんだけど……良いよ

 このタイプなら使って無いのがあるから上げる。けど……リンのは」


「何?」


「いや、そこの後輩2人のは上げて良いけどリンのは最新の奴だからねー。うーん……」


「はっ、ふざけんじゃないわよ!」


そう言いリン先輩は鷹ノ内の襟首を掴む。

 っておいおい!


「落ち着いて下さい! リン先輩」


全く! この先輩すぐに手が出るなー。

 鷹ノ内先輩はしばらく咳き込みながら息をしていたがやがて落ち着き


「分かったなら、こうしよう。そこの2人。シナリオを書いてよ。

 そしたら上げる」


えっ! 

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