閑話『登場人物』

・主人公

貝沼かいぬま 三四郎さんしろう

26歳

鬱病。元社会人。現在傷病手当で治療しながら生活。兄弟なし。

成人後両親ともに交通事故で他界。他界後糸が切れたように鬱病に。

友人は鬱病以降いなくなる。

常に死を求めているが理性だけで持ち堪えている。

孤独。主治医は無駄話が長く疎ましく思っている。

異世界召喚後すぐ《奴隷呪縛スレイヴチェーン》により奴隷化。ゴランセム卿による人体実験という名の拷問によりスキル開発をされ白髪になる


・貝沼 三四郎のステイタス特記事項(開発前)

【解除不可】深淵の呪い(ステイタスオールマイナス・スキル&ジョブ不可)

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・貝沼 三四郎のステイタス特記事項(開発後)

【解除不可】深淵の呪い(ステイタスオールマイナス・スキル&ジョブ不可)

【常時発動】荳牙・ウ逾槭?蟇オ諢(繧「繧ヲ繝ゥ繝九う繧ケ繝サ繧ェ繝?さ繧ウ繧ッ繝サ繝医ぇ繝シ繧オ縺ョ荳牙・ウ逾槭↓蟇オ諢帙&繧後※縺?k縲ゆク牙・ウ逾槭r鬘慕樟縺輔○菴ソ蠖ケ縺吶k縺薙→縺悟?譚・繧九?)

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経歴

始まりは約3年前の職場での何気ない出来事だった。業務中にたまたま見つけた不正データ。用途も何も分からなかった新入社員の私は、それをそのまま直属の上司に報告した。社会人の基本の「報連相」である。だが世の中には報告も連絡も相談もしない方が良い事柄があるのだ。結論から言えば私が報告した不正データとは横領の証拠で、横領の犯人は同じ部署の松田まつだ 虎市とらいちという先輩だった。ただそれだけだ。それだけなのだが、そこから全てが狂い出した。既婚者で子持ちでもある松田さんはその件が原因で出世ルートが閉ざされたそうだ。当然の結果だし何ならクビにならなかっただけマシだと思えと感じるがそうは問屋が下ろさなかった。元々体育会系ノリの先輩だなとは思っていたのだが、その日を境に私へのパワハラが始まった。誰もいないところでは直接的な暴行。主に腹を殴られ何度吐いたか分からない。仕事面でも無茶な仕事量を押し付けられ続け他の社員へはある事ない事(というかこの場合ない事しかない訳だが)陰口を言いふらし、社内ではどんどん孤立していった。だが私はへこたれなかった。何故ならば大切な両親がいたからだ。こうして実家を出て一人暮らしできるようになったのも、ひとえに両親からたくさんの愛情を注いでもらったからである。毎日のようにメールや電話で心配をしてくれる母や、不器用ながら時々励ますような電話をかけてくれる父。そんな2人の為にも心配させる訳にはいかない。職場でどのように罵られようと蔑視されようとも、両親にはその事を隠し、我慢して我慢して我慢し続けていた。


それはパワハラが2年を超えたくらいのある休日のことだった。携帯に見知らぬ電話番号での着信が入った。両親の訃報だった。警察によると、近所を2人で歩いていた所に居眠り運転のトラックが2人に衝突したらしい。事故現場近くをたまたま歩いていた人物からの証言らしい。両親は即死。運転手も搬送後亡くなったそうだ。遺体の損傷具合から、病院に駆けつけた際の立ち合いも通夜も葬式でも2人の顔を見ることは叶わなかった。白い布で覆われた両親は現実味がなかった。だが焼きに入り2人の骨がゴロッと出てきたところで一気に現実が押し寄せてきて感情の糸がプツリと切れた。まるで子供が駄々をこねるように「嫌だ嫌だ」と泣き叫び続けた。昔と違いその願いは叶えてもらえないのに。


両親は生命保険に加入していた。まとまった金が入ってきた。事故を起こした会社と加害者家族が訪れた。これでもかというほど頭を地面に擦り付け土下座された。まとまった金がまた入った。私は密かに夢があった。日々の貯金でいつか両親を海外旅行に招待する事だった。目標金額が軽く見える金が入った。だがどうでもよかった。実家の処分など心ここにあらずといった様子で淡々とこなした。どうでもよかった。全てが色褪せていた。


全ての処理が終わり仕事に戻った。直属の上司からは会議室に呼ばれ直接香典を渡された。ありがとうございます、とただ答えた。とぼとぼと自分の席に向かっている最中だった。松田まつださんがニヤニヤしながらこちらに歩み寄ってくるのが見えた。そしてわざとぶつかってきた。どうでもよかった。そのまま無視して席に座った私に「おい!両親が死んだんだってなぁ?てめぇも死ねば良かったのにな?え?」それはその通りだなと思った。なので「そうですね」と素直に答えた。それが気に食わなかったのか私の頭を鷲掴みにして「だったらお前も同じようにしてやるよ!ほら」と鷲掴みにした頭をグイッと引っ張り、私が真上を向くようにしたところにハンカチをかぶせてきた。その瞬間様々な記憶が頭の中を稲妻が走るようにフラッシュバックされ、気がついたら松田さんの首を両手で締めてそのまま持ち上げていた。松田さんは口から泡を吹いていた。私のをやめさせようと数人の同僚たちが私と松田さんを引き剥がそうとしていた。ガチガチに固まった手を複数人の力を借りて無理やり引っぺがす。後から分かったが指が数本折れていたそうだ。そんな異様な状況は流石に上司にも伝わり、更にはその上の上司にとなっていったが警察沙汰にはならなかった。松田さんは意識を取り戻した後で暴れながら「訴えてやるからなこのクソ野郎!」と罵っていたが、会社が警察沙汰にするとパワハラの件や横領の件など諸々表沙汰になるのを恐れ、その事を松田さんにも警告し、結果としてになった。ただ、私はストレスが溜まり業務に支障が出ているため、半強制的に休養をと、傷病手当の手続きをされその日から休みをもらうことになる。


実際、心療内科に行き一連の流れと現状の心境を話すと医師は「重い鬱病ですよそれは」と呆れるような物腰で語っていた。鬱状態を捻挫とするならば鬱病は骨折で、あなたの場合複雑骨折しているようなもので、そのまま歩いている状態だと解説してもらった。それは大変痛そうだなと他人事のように思う。そして即日入院することが決まった。それから約1年、入院している。不自由はない。目覚める。食べる。薬を飲む。寝る。それをただ繰り返した。あっという間だった。そう。のだ。入院してから症状は改善されることはなかった。常時重たい鉛を背負ったような倦怠感に苛まれ毎日毎時間毎分毎秒「死にたい」衝動に蝕まれ続けそれでも病室で生きていた。これだと生かされていると言ったほうが適切だろうか。もう何もかもが終わったなと漠然とした終焉が私を支配していた。


・現世界側

遠藤えんどう 政志まさし

50歳男性

精神科医。貝沼の主治医。無駄話が長い。


松田まつだ 虎市とらいち

37歳男性

貝沼の務める会社の先輩。パワハラ三昧で貝沼を鬱病にした元凶


松田まつだ 虎太郎こたろう

9歳男児

松田 虎市の息子


松田まつだ 裕子ゆうこ

28歳女性

虎一の妻。


・異世界側

トゥーリアス国

十貴族(のちの九貴族)と国王で政を取り仕切る国のひとつ。


ガリア・ロワ・トゥーリアス(ヒューマン)

59歳男性

寡黙。跡継ぎの息子に仕事の半分を任せている

トゥーリアス王家当主


ロアロ・ロワ・トゥーリアス(ヒューマン)

21歳男性

快活で清潔感のある印象。

次期王。王の業務の半分を任され政の勉強中


マルス・ディス・ゴランセム卿(ハーフリング)

83歳※後述

貝沼を異世界召喚した十貴族の第10位貴族。

元々はスラム街だった後のゴランセム領地を1代で爵位と領地を擁した傑物とされている。実際は生まれ持ったスキル「能力強奪スキルスティール」を幼少期から乱用し奪い取ったスキルを複数組み合わせたりスキルによるスキル改造、更には人体実験などで得た知識や技術の開発による富で成り上がった。更には密かに《異世界召喚ワールドアブダクト》による異世界人召喚で人攫いをしその者に人体実験を施して珍しいスキルを収集。目的は「不老不死」ですでに《時間逆行タイムリープ》は取得済み。パッシブスキル《心理掌握サイコメトリー》や《時間加速アクセラレート》や《強制覚醒ウェイクアップ》すでに幾度も時間逆行しているため本人すら実際の年齢は不明。

ゴランセム家当主。第10位貴族


※以下十貴族改め九貴族の一覧

※十貴族当主は長男長女が世襲制で受け継いでいく。本来九貴族だったがゴランセム卿がスラム街のインフラ整備などの領地整備を施し、食料問題、雇用問題、何より軍事力強化により冷戦状態を超優位的立場による停戦に持ち込んだ事により貴族入りし十貴族となった※つまりは九貴族のままでは以下の問題が解決されていない。


セレス・ヌフ・ピーアース卿(ヒューマン)

24歳女性

聡明な美女で文武両道。更に貧富の差を無くす活動や貴族らしからぬ仕草から国民からの支持が厚い。が権力は一番低いので権力としての実力が伴っていない。初めに九貴族の異変に気づく。その後独自に調査を開始する。

ピーアース家当主。第9位貴族


パイセル・ユイット・ジルバルトル卿(ヒューマン)

38歳男性

好色で飄々とした風貌

ジルバルトル家当主。第8位貴族


ティース・セット・ラフラルバ卿(ハーフメロウ)

58歳女性

萎れているが商業組合の頭取でもあり隙がない。ねちっこい喋り方

国に巣食う裏組織の真のボスとしての顔もある。

ラフラルバ家当主。第7位貴族


パードナ・スィス・シースライト卿(ヒューマン)

29歳男性

血統を重んじ選民思想が強い。

趣味は奴隷商から買った子供と飼っている魔獣を戦わせる事

シースライト家当主。第6位貴族


デュバルタ・サンク・モンスイリア卿(ハーフエルフ)

63歳男性

ハーフエルフの為見た目は若く青年のように見える。長髪。

モンスイリア家当主。第5位貴族


ゴルドー・カトル・ヘクリアルカ卿(ハーフオーガ)

56歳男性

世襲制国防総長。図体も態度もデカイ

ヘクリアルカ家当主。第4位貴族


シルビア・トロワ・ドラドイア卿(エルフ)

4417歳女性

建国当初からの貴族としてこの国の中枢に居座り続けている。エルフ族の長

老婆だが目付きは鋭く発言力は国王に次ぐほどの権力を擁している

ドラドイア家当主。第3位貴族


ルージュ・ドゥ・ランデュース卿(ヒューマン)

34歳

ヒステリック。気に入らない事があるとすぐ近衛兵に首を跳ねさせる

ランデュース家当主。第2位貴族

ノート・ドゥ・ランデュース卿(ヒューマン)

78歳

ランデュース家前当主。沈着冷静。思慮深い老人。


ミルヴァ・アン・トレイラン卿(ヒューマン)

45歳

威厳の塊。威風堂々とした佇まい

トレイラン家当主。第1位貴族


乞食のトーマン

男性(ヒューマン)

汚い身なり。貝沼を見つけ首の奴隷紋から「脱走奴隷」と思い、1番近くのピーアース領の門兵に差し出し懸賞金をもらう算段だった。


ライア・ベルナルダ

男性(ヒューマン)

門兵の1人。貝沼の奴隷紋の照合を行った。照合の結果「登録者なし逃亡記録なし」という部分のみ見て「違法に奴隷化されていた所を運よく抜け出せた」と解釈。実際の照合データは「奴隷化前記録なし・奴隷化経緯記録なし・奴隷化登録記録なし・奴隷登録者記録なし・奴隷無断逃亡歴なし・奴隷主毀損記録なし・犯罪歴なし・出生地記録なし」であった。入領税も支払える事からそのまま入領させる。門兵としての仕事に生き甲斐などなく仕事は適当。なので門兵としてもアドバイスも的確ではない。


★この国の通貨の名称は「ディネロ」貨幣価値は100ディネロ=10円くらい


パイツァ・マールリット

女性(ラミア)

宿屋マールリット蛇亭の店主。

体も態度もデカい。サービスは良くない代わりに安い。宿泊条件は「冒険者以上。以下はお断り」※一般的に宿屋は利用者の身分で利用できるか否かを定めている。最低ラインが冒険者。冒険者の下は肩書きがない。一泊30000ディネロ


冒険者組合

冒険者組合受付職員

事務的に仕事をテキパキこなす。営業スマイルという概念はない。只ひたすらに事務的。対応が柔軟ではない。条件に満たさないものは冒険者登録してもらえない。条件は口頭での「名前」「ジョブの有無」の開示できるか(最低限の会話が出来る・嘘をつかない人間性・取り扱える仕事の区分けが理由)

のみ。その後肉体情報を魔導装置で参照し登録して初めて冒険者として認定され肉体情報に冒険者という肩書が上書きされる。


ジョブ登録相談所

相談員

相談者のスキル構成などを鑑み適切なジョブを提案し相談者が納得したら肉体情報に「登録」される。登録には専用の魔導具がありジョブ登録所にはジョブには恩恵がありステイタスや専用のスキル発現やスキルの強化などがある。新しいジョブに登録し直すことも可能。相談と登録はどちらも有料。有料の相談員なので色々教えてもらえる。有料なので。


病院

医師

医療スキル系を保持した者が働いている。《診察メディカルチェック》呪いを解く《解呪ディスペル》を保有している。が貝沼の呪いは解けない。受診有料。


マイロー・ワインダ

男性(ドワーフ)

ワインダ百貨店の店主

基本なんでも売っている。武器から便利な魔導具まで色々取り揃えられている。もちろん専門店の方がその専門の品揃えはいい。ぶっきらぼうだが金払いさえ良ければそれで問題ないし深入りしないという如何にも商人という性格。客の懐事情を把握できる《現金確認マネーチェック》レベル7を使用可能(所持金の7桁までは把握できる)


魔眼旅団

冒険者パーティーの一つ。構成員は全員魔眼持ち。

メンバー

メルチィ・グランツ

女性(ヒューマン)

《識者の魔眼》持ち。天真爛漫。自由奔放。魔眼旅団のリーダー

《識者の魔眼》見た相手のステイタスを詳細に把握することができる。見れば見るほど理解度が上がり、弱点や行動パターンなどを掌握することが可能。アタッカー兼戦闘指揮者


ボーグ・レディーシス

男性(ダークエルフ)

《放火の魔眼》持ち。短気で怒りっぽく、プライドも高い。

《放火の魔眼》見た相手を炎で焼き尽くすことが可能。やろうと思えば矢などの投擲物も着弾前に燃やし尽くすこともできるため、攻守バランスの取れた能力。戦闘では前衛寄りの中間職。


マルファ・ピータルシア

女性(ハーフエルフ)

《守人の魔眼》持ち。落ち着いた物腰で性格も言動もゆったりしている

《守人の魔眼》見た相手の怪我を癒すことやバフをもたらす事もできる守りと補助の要。


ガルガ・ミスリファ

男性(ヒューマン)

《迷人の魔眼》持ち。寡黙な忍者のような出立と言葉遣い

《迷人の魔眼》見た相手に幻覚を見せて惑わす事が可能。補助兼アタッカー


ウルガス・ポルシス

男性(ハーフオーク)

《道化の魔眼》持ち。自由気ままな他のメンツをまとめる縁の下の力持ちタイプ

《道化の魔眼》見られたものはその者に目が釘付けとなり攻撃もその者にしかしにくくなる。パーティーでのタンク役。


イルーイ孤児院

シルファ・イルーイが管理する孤児院で教会でもある

シスターシルファと呼ばれる金髪で青い瞳のヒューマン女性。

美しく温厚で面倒見が良く孤児たちに満遍なく愛情を注いでいる心優しい人物。


ジーク

ハーフリザードの男児

1番年長でみんなのお兄さん。いずれ冒険者になってシスターシルファの手伝いをすることが目標。


メイプ

ハーフハーピーの女児

1番年少で甘えん坊だけど内気な性格。背中に小さな羽はあるが飛行はできない。


ルガン

ハーフオーガの男児

体は1番大きいが根は優しい男の子。メニアのことが好きだけど言い出せないでいる


メニア

ハーフメロウの女児

とても可愛い見た目だが勝ち気で意地っ張りなのが玉に瑕


メー

ハーフドワーフの男児

温厚でボーッとしてるが手先は器用。


ライジ

ハーフライカンの男児

喧嘩っ早く短気。シスターシルファの事が大好きで自分が結婚して一緒に孤児院を運営することが夢。貝沼をライバル視していたが。


トント

ハーフオークの男児

太っちょで不器用だけど力持ち。孤児院の手伝いなど率先して引き受けたり役に立ちたい気持ちが強い。不器用なので失敗も多いが。


※設定上の人物もいるため全てが物語に登場するかどうかは分かりません。

閑話休題

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