第2話 8月23日

 私は普通の女子高生なので、人並みにTwitterやLINEはやったりしている。

トークルームを開くと、そこには奈都からなにか来ていた。奈都は私の数少ない友達の1人で、小学生の時からよく一緒にいる。奈都は私と違い、明るくて、人当たりもよく、元気が有り余っているという感じの子だ。この間、今まで伸ばし続けていた長い髪の毛をばっさり切ってしまったので、男の子みたいな見た目をしている。部活には入っているが、よくサボる。その割には引き締まった体をしていて、脚やお腹に筋肉の筋が入ってたりする。


natsu:ねね、明日暇だよね?

凜:勝手に暇って決めつけないでよ。暇だけど。

natsu:暇なら問題はないでしょ(笑)

凜:明日なんかあるの?

natsu:え、夏祭りに決まってるじゃん。


いや、決まってはいないと思うが、そういえば毎年こんな時期に近所の神社で夏祭りがあるんだった。


凜:あー、で、一緒に行こうってことね。いいよ。ただ、食事当番なんだよね。19時に集合なら大丈夫。

natsu:え、卓也お祭り行かないの?


そういえば、彼女と夏祭り行くとか言っていた気がする。卓也も行くなら食事は作らなくてもいいか。弟は、彼女の浴衣姿を楽しみにしているようだった。


natsu:じゃあ、決まりだね。祥人と圭太も誘ったから。

凜:りょーかい。


 祥人と圭太は幼なじみというわけではないが、中学の頃から腐れ縁なのか、5年間ずっと同じクラスでこの2人も数少ない友達のうちに入る。祥人はバスケ部で圭太は帰宅部に所属している。祥人は奈都と同じタイプで友達も多く、明るいキャラなので、2人きりになると、キラキラオーラに当てられるため、一緒にいると委縮してしまう。嫌いなわけではないが、なんとなく苦手なのだ。奈都は、同性ということもあって、一緒にいても問題はない。それに比べて圭太はおっとりしている。本当に男子高校生かと疑うくらいの高身長で、いつもぼーっとしているから白くまのようだ。口数が少ないうえに、何を考えているのかわからないので圭太と2人で話せと言われても困ってしまう。それでも、祥人より圭太のほうが私に近いオーラを有しているので、祥人と比べたら一緒にいて落ち着く。

 祥人も圭太も所謂イケメン、ハンサムと呼ばれる類なのでモテているという話はよく小耳に挟む。それでも2人が彼女を作ったことがないのは、2人とも女に興味がないのかゲイなのかのどちらかなのだろう。あるいは彼女を作れない別の理由があるのか。

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