第180話 不遇モブ、初めての奴隷(後編)
※今回も木島目線の話です。寝取られ嫌いの方はご遠慮ください。
ニナムという男は、リエンより二つ年上の幼馴染らしい。
お互いの距離が近すぎて、恋人という関係に踏み出せずいた所に今回の事態が勃発し、僕にリエンを寝取られたという訳だ。
告白も出来ないまま、宮間さんが宇田君から桂木君へと乗り換える姿を見守ることしか出来なかった僕には、ニナムの気持ちがよく分かる。
何はともあれ、ニナムが殺されずに済んで良かった……なんて僕の考えは甘すぎた。
宮間さんも桂木君も、仲間としては頼りになるけれど、二人とも間違っても善人ではない。
むしろ、悪党と呼んだほうが相応しい考え方の持ち主だ。
ニナムは村長宅へと連れて行かれ、頑丈な手枷と足枷に繋がれた。
手枷も足枷も家畜泥棒に使うためのもので、どう頑張っても抜け出せそうには見えない。
僕らから事情を聞いた村長は、額を地面に擦り付けて謝罪した後、身動きが出来なくなったニナムを拳で殴り付けた。
「まぁまぁ、村長、その男の処遇は僕らに任せてもらえますか」
桂木君の執り成しで、ニナムは村長宅の一室に軟禁されることになった。
夕食後、僕は桂木君と宮間さんに、リエンを連れて来るように呼び出された。
向かった部屋には、全裸で背もたれ付きの椅子に拘束されたニナムの姿があった。
ただし、椅子の脚は壁、背もたれは床に付けられ、猿轡を嚙まされたニナムは天井を見上げている。
「か、桂木君……これは?」
「わからせだよ、木島。わ・か・ら・せ」
僕が桂木君に質問している間に、宮間さんがリエンを部屋の隅に連れて行って何事か耳打ちを始めた。
リエンの顔が怒りで朱に染まり、話が進むうちに今度は蒼白となって表情が抜け落ちた。
宮間さんが、どんな人物なのかは昼間のニナムとの格闘で十分に理解しているのだろう。
リエンは、ふーっと大きく息を吐くと、着ている物を脱ぎ始めた。
一体何が始まるのかと思っていると、リエンはニナムの顔を跨いでこちら向きに立ち、見せつけるように自らを慰め始めた。
「桂木君! こんなのは……」
「いいから、黙って見てなさい」
桂木君に抗議しようとした僕の声は、宮間さんの冷たい声に遮られた。
「むぐぅぅぅ! ふぐぅぅぅ!」
リエンの秘所を真下から見上げる形のニナムは、がっちりと噛まされた猿轡に遮られ、声にならない呻き声を上げながらもがき始めた。
ニナムの呻き声など聞こえていないかのように、リエンは自らの体をまさぐり、甘く湿った吐息を洩らす。
「んっ……くっ……んんぅぅぅ……」
桂木君、宮間さん、僕、それにニナムが見守る中で昇り詰めたリエンは、息を弾ませながら僕に視線を向けると、おぼつかない足取りで背中を向け、両手を壁についてお尻を突き出した。
「ご主人様、お情けを下さい……」
宮間さんの指示なのだろうが、それは悪魔の所業だろう。
リエンを愛するニナムの顔上で、見せつけるようにして犯すなど人の所業ではない。
決して許されない行為なはずなのに、僕の股間はこれまで経験した事がないほど昂っていた。
「木島がやらないなら、男の首を握り潰すわよ」
宮間さんの一言が、僕に残っていた最後の理性の箍を外した。
服を脱ぎ捨てるのももどかしく、リエンに背後から襲い掛かる。
初めての夜とは違い、リエンの中は熱く潤んでいた。
狂ったように腰を振ると、リエンは獣じみた歓喜の声を上げて体を震わせた。
何かを手にした宮間さんがニナムに近づいていったが、そうした行動も僕の凶行の妨げにはならなかった。
無我夢中で腰を振り、雄叫びを上げて精を注ぎ込む。
ガクガクと体を震わせたリエンは、僕が抜け出ると立っていられず、ニナムの顔の上に座り込んでしまった。
「まさか、一度で満足しちゃうんじゃないわよね」
宮間さんに言われるまでもなく、異常な興奮はまるで収まる気配をみせていない。
へたり込んだリエンの腰を掴み、今度は膝立ちの状態で突き入れる。
「うぅぅ……うぅぅぅぅ……」
僕とリエンの体液で、顔をベショベショに汚されながら、ニナムは声なき声を上げて咽び泣く。
その悲痛な泣き声が、僕の異常な興奮を更に加速させていく。
三度の行為の果てに、リエンは失神して床に倒れ込んだ。
異常な興奮が去った後、酷い倦怠感と嫌悪感に包まれた僕が目にしたのは、異様な光景だった。
椅子に拘束され、床に転がされたニナムの股間は赤黒く怒張していた。
良く見ると、根元を睾丸ごと紐で縛り上げられているようだ。
「由紀、仕上げようか」
「ええ、一度やってみたかったのよね」
「ちょっ、宮間さ……」
宮間さんは大振りのナイフを手にすると、ニナムの股間の物をスカっと切り落としてしまった。
「うぐぅぅぅ!」
絶望しきって動きを止めていたニナムが、呻き声を上げて暴れると、桂木君が血止めのポーションをバシャバシャとふり掛けた。
切断されたニナムの一部は、桂木君の魔法によって瞬く間に炭にされてしまった。
人間は、ここまで残酷になれるものなのかと恐怖すると同時に、自分も同じ領域に足を踏み入れてしまっている事に気付いて愕然となった。
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