ドクター・マーセデス・ロータス: 1
終戦から二年がすぎ、ようやく気軽に出歩ける日々が戻ってきたので、私はエンゾー・ヤノの工場をたずねた。
薄暗い作業場へ入ると、作業員が怪物のような鉄の
やがて彼は汗を
「ミズ・リントの最後の出撃について知りたいの」
「メールは読んだ」
なら最初からそういえばいいのに。
私が取り出したファリーナ・リントのカルテを見て、彼は少しだけあきれた顔をした。
「軍から持ち出したのか」
「
ヤノが笑うのを見たのは初めてだった。「俺もあのときの資料はとってある。もちろん無断でな」
そういうと、彼は奥の階段を指さした。「二階へどうぞ、ドクター」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます