元祖厳七郎江戸日記No.3

江戸嚴求(ごんぐ)

「この空を飛べたら」


安倍首相が辞意を表明した。やはりというか、恐れていた事態となってしまった。賛否両論いろいろあるだろうけど、まずはお疲れ様と言っておこう。


悪夢といってもいい旧民主党政権の後、政権を奪取して七年八ヶ月にわたる長期政権を築いた。


後世、ただやたら長かっただけの政権と揶揄されるかもしれないが、それだけ国民の期待も大きかったのだ。


とはいえ残酷なようだが、政治は結果がすべてだ。北朝鮮拉致問題の解決はおろか、憲法改正に至っては夢のまた夢。


コロナ禍がまだ収まらない中での電撃辞任劇に、これからマスコミや国民から総バッシングを受けるだろう。


仕方があるまい。安倍一強などと我が世の春を謳歌していた時に、中国で発生した新型コロナウィルスが伝播したことで迷走ぶりを露呈させたのだ。


この一事を考えても、次の首相はコロナを隠蔽した習近平国家主席を国賓として招くべきではない。


ただ日本の政治家は、親中なのかはたまたハニートラップで弱味を握られたか中国にすこぶる甘い。


政治家に期待できないなら、草の根運動で習近平の国賓来日を阻止するしかあるまい。


それはともかく。今回の安倍首相の辞任表明で、いかに我が国の政治家が頼りにならないかが嫌でも白日の下にさらされた。


なるほど、たしかに政権を運営するだけの健康が保証されないのなら、辞めるのが最善の策なのだろう。


しかし、後に残された私たち国民は憤ることはできても捌け口が見つからない。裏切られた気分だ。


もしも私が安倍首相の立場なら、恥辱でいたたまれず議員辞職も願い出るところだ。


空を飛べるなら、誰も自分のことを知らない土地まで逃げていきたいくらいだ。男子として、晴れやかな表舞台に返り咲きながら再び持病で去っていく。


これほどの屈辱を堪え忍べるかどうか。いずれにしろ、国民は不幸のどん底に叩き落とされる。


※このエッセイは、不定期配信です。


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