第2話 秋の話

 全て秋が悪い。振れる体重計の針を眺めながら現実を知る。

 秋は食欲の秋と言うだけあって美味しい食べ物が多すぎる。焼きいも、サンマ、栗ごはん、スイートポテトetc…

 食卓にて並ぶ美味しいご飯が私の体重を変えていく。私は悪く無い。

 毎日ランニングをするか?私にそんな根気は無い。

 食べる量を減らす?既にしているが一向には変わらない。

 ――何故だ、何故私の体重は変わらない?


 昼の休憩時間、お弁当をつつきながらどうするべきかを悩んでいた。

 お弁当だって普段より小さめのにしてもらっている。もう一月近くはこうしているが、何も変わらない。私は一体……どうすれば……。

紗南さなちゃんどしたの?随分落ち込んでるけど?」

「あ、由仁ゆにちゃん。実はさー」

「あ待って待って、はいこれスイートポテト作って来たんだ」

「やったーありがとう!」

 お礼を言って受け取ってから口に入れる。うんやっぱり由仁ちゃんの作るお菓子はいつだっておいしい。

「えっと、それでね」

「あ待って、クッキーも焼いてきたんだ。はいどうぞ」

「わーいもぐもぐ」

 由仁ちゃんとのお昼休みは割と毎日こんな感じである。彼女が作ってきたお菓子をお昼に食べて過ごす。彼女も私にお菓子を食べてもらえるのは嬉しいそうで、私もうれしい彼女もうれしい、まさにWINWINである

 口の中を空にしてから、今の悩みを打ち明ける。

「そういえば私最近体重に悩んでてさー、食事も減らしてるのになんでなんだろうね?」

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