三のない事実

第4話 目に映らない真実

 無事行方不明者を発見し、一安心の僕らは一つ疑問が生じる。


「(一体どこに居たのだろうか‥)」


 昨夜、受付に居た白床穣二しらとこじょうじさんに聞いたところによると独自の業務用システム管理によって雇用管理してレーダーからの特定が可能。

 レーダーによる探索では、ホテルの三階に男性客の三人のみ、もし侵入者や救護人を見つけた場合、セキュリティにより門番が作動する。条件に従い、警察や消防へ連絡まで一連の流れを緊急対応マニュアルに組まれている。

 また、ホテルの西側にある非常階段までの把握が可能という。

 しかし、三日間探索するも見つからなかった。部外者の僕は未だに迷宮に至る。


 後日、経過した様子が気になり、パソコンで調べてみると創業者の近松はホテルを売却して民宿のみ再開。無事に運営していた。

 やはり二名のメイドロッパーと二人だけでは困難と判断したのだろう‥

 さらに下へスクロールすると一枚の画像がデスクトップ画面に映った。

 そこには、メイド服を着た小雨堂さんが載っていた。十年在籍しており、創業者近松晃大の右腕として、成長期を支えたとある。

 そこであることに気付く。

右手に何か持っていた。手のひらサイズの小さな物を拡大して見ると、手にしていたのは松ぼっくりのようだ。

 すると何故だろう。なんとなく甘い香りがよみがえってきた。今でも不思議に思う今日この頃、真夏の夜である。

 

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真夏の残り香 DarkPython<bl> @macT

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