第2話 Break into a new dawn


「ついたわ、此処よ」

そう話した夜は、俺を豪邸に案内した。


あの直後、スマホで誰かに連絡を取っていた夜は、すぐさま迎えを呼んでいた。

するとどうだろう、どこからともなく現れたリムジン。

運転席から降りてきたのは、タキシードでバリバリに決めている爺さん。

執事だ、初めて見た。夜、、確実にこいつお嬢様だ。

そんなことを考えながら、初めてのリムジンに緊張と喜び半分で乗り込んだ。


車内でふと違和感に気付く。

「なあ、なんでお前の髪、黒くなってんだ?さっきまで銀色だったよな?」

「お前って呼ばないで、望月 夜 それについては後々説明するわ」

「わかったよ、すまなかった。あとーー、助けてくれてありがとうな」

「、、ふん。まぁいいわ」


車内ではやや気まずくも、外の景色を見ることにしていた。

窓に差し込む光がまぶしい

___あぁ、本当に左目ないんだ。

反射した自分の姿を見て、改めて実感した。

一服したいなぁ、、非現実から、日常を取り戻そうと、ポケットに手を入れ

煙草とライターを探した。ちっ、どっかで落としたのかよ。

まだ彼は、日常に戻れそうもない。

真っ黒なリムジンに新たな朝日が刺し込んでいた。



車を出迎えたのは、まずは門だった。その後、とても長い庭を抜ける。

敷地に入ってから2,3分は走っただろうか、ようやっと屋敷に到着した。

「なんだよこの屋敷、、でか過ぎだろ、、」

物語やゲームの中でしか見たことのないような和風の豪邸だった。


「さあ行くわよ」

「お、おう」


何名ものメイドや執事がおかえりなさいませ、と彼女を出迎える。


「お父様とお母様は?」

「お二人とも応接間にてお待ちされております」


そのまま夜の後ろを俺はついていく

「お父様なら、何かわかるかもしれない」

そうつぶやいた彼女の顔を見て、この子は俺を何とかしようとしているのだな、と

少し不安が解消された。


「夜です。入ります。」

大きな扉をメイドが開き、俺と夜は応接間へと足を踏み入れた。

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