第24話 異世界転生 対 輪廻転生⑧

「もっと転生者をストックしておくべきだったな」

 マミーはコケシをばら撒くとそれは人型になり動き出す。

「アイツは転生者を操作して戦うから!あといろんな生き物出してくる!」

「なるほど、じゃあ私は──」

 カグラから情報を聞いたマトラはマミーへと一直線!

「あなたの相手をしましょうか」

「げ!マジか!」

 操作した生物を使った戦闘方法ならおそらく、近接は苦手なはず!

「ちょちょちょ、ちょっと!ヘルプ!シュララ!」

 フォローに入ろうとするシュララを横からカグラが止める。

「クソッ、邪魔!」

「邪魔してんだよ。ワリィな」

 マトラの攻撃を紙一重で避けていくマミー。まぐれか?それとも狙ってか?

 少し距離を取ったマミーはさらに二体の転生者を繰り出す。が、即座にKOされてしまう。

「うひゃー、時間稼ぎにもなんないのか」

 転生陣から出てきたところをみるに、コイツが転生陣を出し入れしてるのだろう。だったらコイツを抑えれば移動ができないはず!

 マミーが一歩下がればマトラは一歩前に出る。なかなか引き剥がさないマミーは苛立ちが隠せない。

 やっぱ肉弾戦なら相手に分があるな。

「私を寄らせた時点で終わりです」

「だったら無理矢理、引っ剥がすだけさ」

 マミーは自らとマトラの間にコケシを放る。

 コケシは急激に膨らみ人型になったと思ったら爆散した。血飛沫が飛ぶ。

 目くらましか!

 幸い爆散した血肉はそこまで痛くない。この程度では怯まねぇよ!

 マミーの右ストレート、避けてカウンターの体勢に入ったその時──。

 マトラの頭部、側面から思いっきり殴られる!

「⁉︎⁉︎」

 なんだ⁉︎なにか飛んできた!

 見ると左手が飛び回っている。

「─生胞操技せいほうそうぎ─ 私の能力の正式名称ね」

 マミーの!ふよふよ浮いてるのがそうか。

「生物の細胞を操るのか」

「操る相手との力量差にもよるけどね。自分の細胞はそれなりに自由に使えるんだ、こんなふうにね」

 なるほど、面倒だな。マトラは浮遊する左手を気にしながらマミーの動きを見る。手はなくとも左腕はあるわけだから、だいぶ変則的な近接になりそうだ。

 倒せはしないだろうがこのまま時間稼ぎができれば。

 “問題ない”そう結論づけ脚に力を入れた時

、後ろの壁が壊れる!まるで刃物で切られたような壊れ方。まさか!

「マミー!シュララ!」とシャンテン。

「オセェぞ!シャンテン!」とマミー。

 ザックがこの場を見渡し、理解する。

「マトラか!あ、カグラ!」



─────つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る