第14話 交錯
マトラとフード女は話していた。
「つまり、輪廻転生と異世界転生は両方とも残った寿命を使い死者を転生させている」
「そうだね」
「あなた達は全ての罪に平等に罰を与えるために輪廻転生を推奨するが、異世界転生で既に寿命を使いきっている者たちでは輪廻転生できない。輪廻転生の復活には異世界転生の廃止が必須……ということか」
「そのとおりだね」
「事情は分かりました。ではまず──」
マトラは転生陣へとダッシュする。
「それを壊させて下さい」
先回りしたフード女は掌底を放つが右左とマトラは躱し、右のボディブロー。ひらりと右回転で躱したフード女はその勢いのまま右肘打ち。止めたマトラ。だが止めた右肘を起点とした裏拳がヒットした。
「チッ!」
マトラは距離を取る。フード女は右手を振る。
「これは期待以上だね」
「そりゃどうも」
フード女は仮面の影で笑う。余裕を見せる相手にマトラは厳しい表情をしながらも状況を整理する。
カグラとクロックが一番近い渡り廊下を守っている。その二人に加えクラップがいれば心配はいらない。ザックさんがまだここに来ないということは何者かと接触、最悪バトってる可能性もある。あの人のことだ、負けることはないだろうが相手が地獄の使者ではなにかあると考えるのが普通だ。
私が優先すべきは?
奴らはどうやって来た?どういう算段だ?導き出された答えは一つ。
転生者および地獄の使者は転生陣を使って侵入してきた。それは確かだ。じゃあ退却はどうする?おそらく、侵入の時に使った転生陣をそのまま使う。なによりも転生室に見張りをつけているのが理由の一つ。
マトラは構える。大きく息を吐き精神統一。
転生陣を破壊し、敵の目論みを阻止する!
「すいません。その転生陣、壊させてもらいます!」
─────つづく
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