第154話  マーシャルプラン

戦争状態という忘我の熱気が収まり

各国は[復興]というつらい現実を

直視する事になります


多くの人命が失われた上に

都市や工場、農村に至るまで破壊され

被害は計り知れない状態でした




[経済]というのは好調でも低調でも

循環してナンボのシステムです

しかし危険下域を割ってしまった

経済活動というのは水が足りない水車が

自重で止まってしまうように

循環が止まってしまいます


戦争による被害とは人命、資産の喪失も

もちろんの事ですが国家経済の破壊、

国家システムの破壊という面でも大きな

問題を引き起こすのです




フランス

(; ´Д`)国がボロボロすぎ 立て直し不能



オランダ

(; ´д`)アカン…ウチもやばい



⊂⊃

(; ´ཀ`)あぁ… 食べる物が無い…



ギリシャ

(; °ㅂ°)出番無かったけど最前線 危険域



イタリア

(; ๑'ᴗ'๑)経済ワカンナイ お金が無い



イギリス

(; ̄ー ̄)無理をしすぎたか…

ウチも限界を超えた…




主戦場となったヨーロッパ各国は

次々と機能不全を引き起こします




イギリス

(;_ _) やばい…ヨーロッパが終わる…






アメリカ

(; ̄∇ ̄) …




───




アメリカ

( ̄∇ ̄)ノ おいみんな!

食べ物が余った!あげるぞ!

お金も余ったからあげる!



イギリス

(; ̄ー ̄)お金は余らんだろ



アメリカ

( ̄∇ ̄)ノ 余ったんだよ!

いいから貰ってくれ!



イギリス

(; ̄ー ̄) …いいのか?



アメリカ

( ̄∇ ̄)いいんだよ! 仲間だろ!




アメリカはこのヨーロッパ崩壊の危機にたち

無償の経済援助を始めました




イギリス

(; ̄ー ̄)ほんの少し前までモンロー鎖国で

経済ひとり勝ち主義だったお前が…

いったいどうした?



アメリカ

( ̄∇ ̄)ちょっと民を救ってみたく

なったでござるよ、なんてな!うはは!



イギリス

(; ̄ー ̄)あの守銭奴が…変わったな

すまん 感謝する



日本

(; ´∀`)貴殿も武士でござったか



アメリカ

( ̄∇ ̄)褒めてないぞそれ!

けどあのイギリスに感謝された!

これは気持ちいいな!うははは!



フランス

(; ´Д`)助かった…



⊂⊃

(; ´ཀ`)ドイツ民族が救われる…



オランダ

(; ´Д`)助かった…ありがとう




アメリカの復興支援は続きます

国内の生産力をフル稼働させてお金を稼ぎ

それを世界の復興に注ぎ込んでいきます


援助を受けたのは西ヨーロッパを中心に

16ヶ国にのぼり、敵だったドイツやイタリア

そして日本にまで及びます




アメリカ

( ̄∇ ̄)ノ 戦争なんかよりよっぽど

アメリカのアメリカらしい戦いだよ!

国民よ、ここがアメリカの見せ場だぞ!

じゃんじゃん作るのだ!




世界が復興に向けて動き始めました




───




後年の話ですが、ヨーロッパに比べてまだ

健全だったアメリカの工業、技術は世界に

一歩抜きん出た成長を遂げて

[信頼のアメリカブランド]という競争力を持ち

世界中から買われるようになります


この時ヨーロッパを見捨てなかったアメリカは

[将来の顧客を守った]と言う事もできます


しかしそれは結果論です


将来の顧客になるかはこの時点では

希望的観測に過ぎません

この時のアメリカは純粋に復興支援を

目的として行動しています


[世界の中のアメリカ]という意識を持った

アメリカはこうして世界と関わっていき

各国の信頼と高い競争力という力を得て

イギリスに代わる世界リーダーとして

成長していきます

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