クソッタレな自分 しみったれた世界

白川 夏樹

嫌いなもの

雨が好きだ。

部屋の外から聞こえる元気そうな小学生の笑い声とか、自分は幸せだと言わんばかりに力いっぱい羽をばたつかせて飛ぶツバメの鳴き声なんかが聞こえないから。


夜が好きだ。

特に2時をすぎたあたり。

ほとんどのやつは仕事や趣味といった生産活動をしていないから。

その時間だけ、俺が何も生み出していないという罪悪感が少し薄れるから。


訃報が好きだ。

俺より生きたがってたやつが、俺より先に死んでいったと分かるから。

世界が公平ではないと気づけるから。


挫折が好きだ。

希望を持たなくてすむから。


偽善が好きだ。

本当の善なんて存在しないと思えるから。


絶望が好きだ。

何かをしようという気が起きなくなるから。


自分が好きだ。

救いようのないド底辺クズなのにまだ生きているから。


世界は嫌いだ。

俺のことが嫌いなのに、俺の事を好いているような面をしてやがるから。


こんな世界でも何故か俺は生きているらしい。

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