3-2 必要ない物持って出かけちゃう時ってあるよな
to琴平 and拓 ← from伊野田
『市街地で攻撃を受けた。約10分前。地元の野球チームのユニフォームを着てたが一般人の動きじゃない。誰かが変装してる可能性あり。調べられるか』
数秒モニタと睨めっこしつつ、左腕を摩った。返事はすぐに届いた。
to伊野田 and拓 ← from琴平
『すまない、事務局の調査不足だ。確認する。状態は?』
to琴平 and拓 ← from伊野田
『了解。擦りむいた程度で済んだ。こちら手がかり有。DBの特徴一致。昨日のキッチンカーの店員と双子の可能性のある女性と遭遇。拓、広場に行けるか? こちらはひきつづき調べる。いま女性が入居していると見られる施設に入った』
to琴平 and伊野田 ← from拓
『了解。今から向かう』
to伊野田 and拓 ← from琴平
『こちらも用事が終わり次第、施設に向かう。早まらないように慎重にかかりたまえ』
テキストの受信を終えた彼は舌打ちしつつ、端末機能を終了させた。目の前からホログラムが消える。念のため体の様子を診てみたが、たいした傷はなかったので、放っておいても問題はないと判断し、ひとまず安堵する。
あの相手の力技を一打でも真正面から受けていれば、骨くらいは簡単に折れていただろう。運が良くて打撲だ。相手の所作を頭の中で反芻しながらパーカーを羽織った。あの動きは、訓練された人間のものだ。
施設内は空調が効いているのか、少しだけひんやりする。後ろ腰で、もたついた裾を広げる。肘と膝のプロテクター装備は正解だったが、ナイフを持ってきたことを少し後悔しだした。
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