狩りにいった。


 朝、リディアの部屋へ向かうと、リディアは部屋の前で待っていた。


 待たせた事を謝り、宿を出る。



 アリシアさんからの情報で、比較的安全で獲物もいるという狩り場が街の東にあるらしいので、その辺りに向かうつもり。



 街の門を出て少ししてから


 「一狩りいこうぜ!」と言ってみる。


 リディアにネタ通じた様子。


 こういうネタ通じるのっていいよね。


 この世界の人には通じないから。あ、それ以前に言葉たどたどしくてネタすら言えないか。



 門を出てしばらく歩く。


 周りに人が居ない事を確認してから、ダッシュ&ラン。



 目的地へ向かう。


 リディアとペースを合わせる。


 途中、無意味にジャンプしてみたりもした。こんなんでスキル上昇したのがEOSの過去作にあったよな、とか思いながら。


 リディアは機嫌がいい。


 アバターのチートを使えるのが嬉しいんだろう。



 クリーチャーの気配を感じたので止まり、スニークしながら辺りをうかがう。



 遠くにシルエットが見える。


 スニークしながら近づく。


 ホーンラビット。


 リディアと話あって、弓を使う事にする。


 リディアは狩猟弓、俺はコンポジットボウ。


 矢はこの世界の物を使う。



 スニークしながら近づき、スニーク状態からタイミングを合わせて射撃。



 二人とも命中。倒れた獲物はインベントリへ、矢も回収。



 この世界の矢も持ち込んだ弓で使える事が判明。


 リディアは見るからに嬉しそう。


 バディを組んで安定した狩りが出来るからだろう。



 しばらく進んで、グラスウルフ二匹を発見。



 スニーク状態である程度まで近づき、伏射の姿勢でライフルを構える。


 リディアは側でスニーク状態で警戒。



 一匹のウルフに狙いを付けて射撃。


 胴体に命中。


 ウルフは何が起きたか、判っていない様子。


 素早くボルトを操作して、次弾を装填。


 もう一匹のウルフを狙って射撃。胴体に命中。


 ウルフがこちらに気づいた様子。


 向かって来る。



 ボルトを操作。狙いを付け射撃。


 向かってくるウルフの頭部に命中。倒れる。



 ライフルを脇に置き、9ミリオートを構える。


 近づいたウルフにリディアから魔法。


 リディアの援護でウルフに近づき牽制する。


 ウルフの意識がこちらに向いた後、リディアから魔法。ウルフが倒れる。



 ソロよりも、効率も安心感も違う。


 バディを組めて良かった。




 リディアもウルフを倒せて機嫌がいい。


 もしレベルアップの条件が、スキル上昇ではなくクリーチャーの撃破なら、レベルアップに繋がるからな。


 リディアのレベルアップ条件も検証しながら、レベルアップの支援をしよう。




 ライフルを撃った周りに空薬莢が落ちていないか探す。



 空薬莢は見つからない。



 これはリディアと話をして初めて気づいた事なんだ。



 SOE7では「ハンドリローダー」のパークを取得してからでないと、空薬莢は消えるんだ。



 で、プレーヤーとしてなら、気にして当然の事なのに、アバターの意識で消えるのが当然。と思っていたため、チェックする事自体に気づいていなかったんだ。



 アバターの意識からの精神汚染の一種なのかも知れない。



 この世界の「そういうモノだと思っていた」という事とも繋がる気がする。



 ウルフから、素材を回収。



 ライフルをインベントリに戻さなかったのは、残弾2発のライフルをリディアがリロード出来るか?という事を検証したかったから。



 俺の場合インベントリ内に弾があると、マガジンが無くてもマガジン付きでリロード出来るんだけど、リディアはどうなんだろうか?と。


 マガジンは銃の側に設定されている。


 ロングマガジンとかもマガジン単体であるのでは無く、銃の改造パーツとして存在して、銃を改造すると弾倉が増えた銃になる。というシステム。



 インベントリに戻すと弾薬が全弾入った状態になるから、インベントリに入れなかった。


 リディアにライフルを渡し、5.56ミリ弾を5発リディアのインベントリに入れてもらう。


 リディアの弓のスキルで銃が扱えるか?という検証でもある。



 目的地に向かいながら、策敵。


 「知覚力」を鍛える意識も持つ。



 ウルフ一匹を発見。



 スニークで近づく。


 リディアが伏射の姿勢をとる。


 俺は、9ミリオートを手にしてリディアのカバーに入れる用意。



 リディアが発砲。ウルフの胴体に命中。リディアがボルトを操作。少し手間取っている。



 ウルフが辺りをうかがう。


 リディアが二発目を発砲。


 外れる。



 リディアがリロードしようとする。



 ウルフがこちらに気づく。



 俺は立ち上がり、リディアの前へ。



 拳銃を構える。



 走りよってくるウルフ。


 射撃。命中。さらに射撃。



 ウルフが倒れる。



 リディアはリロードが出来ないとの事。


 弾倉のタイプは無理か。


 ライフルをリディアから受け取る。



 護身用に38口径リボルバーと弾薬をリディアに渡す。



 リディアが射撃した辺りに空薬莢が落ちていないか探す。



 空薬莢は見つからない。




 初めに目的地にしていた辺りに到着。


 お互いのマップにマーカーを設置。


 もしはぐれた場合ここに集合しよう、と。




 ここを起点に、狩りと検証をしよう。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




 リディア視点



 朝、思っていたよりも早く目を覚ましたから、早すぎないように注意して、部屋の前でジンを待ってたの。ジンの部屋に行くのはまだちょっと、ね。


 門を出てからジンの


 「一狩りいこうぜ!」発言。


 うん、判る。


 このネタ判るの、この世界で私とジンだけかも知れないわね。




 人気が無くなってから、ダッシュ&ラン。


 こんなチート見せられるのは、お互いに二人だけね。


 嬉しくなっちゃう。



 ホーンラビットをジンと二人で倒したの。弓を構えてタイミングバッチリ。息が合うのって大事よね。二人の共同作業よね。



 ジンが私の前に出て守ってくれたの。ウルフ一匹だから一人でも対処出来たけど、嬉しかった。


 魔法で倒したから、ジンは私の事役に立つと思ってくれたかしら?



 ジンのライフルを使ったわ。


 リロードは出来なかったけど、ジンがカバーに入ってくれた。


 狩りの安心感が違う。


 楽しくて仕方がない。




 ジンからリボルバーを預かった。


 倉庫アンロックするまで、銃はジンの生命線でしょ?いいの?



 私、魔法とかもあるよ。



 SOEしてた頃、38口径ってあんまり良い印象なかったけど、38口径も好きになりそう。



 マップにマーク。



 これからジンと二人きりで狩り。



 この世界に来て、本当に良かった。

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