酒場にて
講義が終わってから、宿で早めの夕食。
その後、先日行った料理の美味い酒場へ向かう。酒無しでも大丈夫だったから。
このSOE7のシステムでは空腹度はあるけど、満腹度は存在しない。
そのため幾らでも食べられた。ゲーム内では食品も回復アイテム扱いだったため、ダメージを受けてなければ空腹度を満たす以上に基本消費はしなかった。
ただ、食事を「楽しめ」る現実では、空腹度を満たす以上に食事をするのはアリ。
このシステムが有効なのは、すでに気づいてるんだけど、あえて検証するために、酒場へ向かう。
大食い選手権とか食べ放題とかあったら無双できる。
食事を「楽しめ」る現実では、地味だけどチートだと思う。
まぁ、システムの「検証」という言い訳で美味いモノをたらふく(腹一杯ではない)食べようってワケ。
システム違いの世界でストレス感じてるのよ。
ストレス発散の「飲む・打つ・買う」だけど
飲むはシステム上NGだし
(コレ地味にキツい)
打つは、SOEではギャンブルはアバターの基本能力のラック依存で、このアバター
のラックはそんなに高く無い。
もしするにしても、ラック上昇のアイテムを身につけてから。とか考えちゃうから全く楽しめない。「検証」になるだけ。
買うなんだけど、病気が怖いのと、この世界の「人」ってCG合成でそこに居るように感じているダケっていう感じがしてるんだ。
表現しにくいんだけど、自分がアバターであり同時にプレーヤーだという独特の感覚と同じ枠のモノ。
自分がいて周り全方向がCG合成されてるような感じがあるんだ。
移動も、自分が移動している。という感じ以外にも、自分は動いていなくて、周りが動いている。
(目的地に行くのではなく、目的地が近づいて来る)という不思議な感覚もあるんだ。
そんな感覚があるから、そういう情動があまり沸かない。
「人」が作り物くさく感じちゃう。時がある。
この感覚のせいで承認欲求がなくなってるんだけど、ね。
いつもこの感覚でいる訳ではないけど、不意にこの感覚になるときがある。
この感覚のせいでこの世界が現実なのか、夢なのか?とか考えてしまう事すらある。
で、買うに関わる情動の時って、この感覚が強く出ちゃって、リスク考えるといいや。って自然となるんだ。
もちろん、この感覚のおかげでストレス低くなってるんだけど、ね。
で、食事を楽しむのは大切。となる。
酒場に入り、料理を注文。
二人前より少し多い位。飲み物は果実水。
本当はもっと注文したかったけど、これ以上は目立つ。
食事を楽しんでいると、大男が酒を飲んで騒いでいた。陽気な騒ぎ方だから気にしていなかったが……
「ここの全員にエールを一杯」と大声を出す。
私にもエールが配られる。
なんでも、大男(ガティアスという名)が大物を仕留めて、その祝いでお大尽しているらしい。
大物はグレートベアと言う名前で、アリシアさんからの知識では、この地域では最強レベルの魔物。
で、目の前にあるエール(ドラッグ)をどうするか思案する。
『飲み干す』
『言い訳して飲まない』
の選択肢があるような感じ
『言い訳して飲まない』
を選択
カバーストーリーは
『私は、まだ未熟な狩人だから、酒は飲めない。勇敢な戦士からの祝杯を断るのは失礼だが、部族のしきたりで、未熟者には酒以外が振る舞われる。
未熟者から高価な酒を勇士に振る舞い、その杯で酒以外を飲み干して、勇士の勇気にあやかる。
そしていつか勇士に成れたときに、この分の酒を振る舞って貰う。そういう約束をすると勇士と未熟者の両方が、約束を果たすまで死なない』
こんなカバーストーリーをでっち上げて
片言の言葉だけどスピーチ
スピーチチェックだ!!
「オレ、まだ未熟、酒、ダメ」
「勇敢な戦士の酒、断る、失礼」
「でも、しきたり。私、勇士に酒、振る舞う」
「その杯で、私酒ないモノ、飲む」
「勇士の、勇気わけられる」
「いつか私、勇士なる、その時、酒貰う」
「勇士なる、約束。戦士、死なない」
身振りを交えて、こんなスピーチ
結果、ガティアスさんにえらく気に入られました。
なんでも約束で、死なない。あたりの蛮族の呪術的なテイストがイイらしい。
ガティアスさんの自慢話を聞きながら夜がふけていった。
タメになる話も沢山聞けた。
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