武道を学べば礼儀が身につくのか?


筆者は空手の他にも少林寺拳法や居合道を学んだことがあります。

また、柔道、剣道、合気道、なぎなたといった様々な武道経験者たちと交流してきました。


その経験則から言いますと、


『武道を学んでも礼儀は身に付きません』


礼儀正しい人は最初から礼儀正しいです。

粗暴な人は、ずっと粗暴なままです。


もちろん、絶対ではありません。

1000人に1人くらいは振る舞いを改める者もいるでしょう。

しかし、そうしたわずかな例外を除き、武道で人の本質は変わりません。


強い者が偉い。

試合で勝てる者が偉い。

長くやってる者が偉い。

弟子の数が多い者が偉い。


筆者が知る限り、今の武道界はそんなところです。

つまり、通常の競争社会です。


礼儀作法は形ばかり。

心優しき者が評価されることはありません。


その証拠に、優しいからといって表彰などされないでしょう?

優しさではトロフィーやメダルやベルトなど具体的評価は得られません。

せいぜい、「偉いね」「優しいね」と言ってもらえるくらいです。



結論。

形ばかりの「虚礼」であれば身に付けることは難しくありません。

しかし、「仁愛」を伴った真の礼儀を身に付けるには、運良く良師に巡り会い、なおかつ本人に学ぶ気がなければなりません。


それは奇跡にも近い確率です。

「子どもを武道教室に通わせておけば礼儀が身につくだろう」などという考えは、浅はかと言わざるを得ません。


礼儀は親が教えるものです。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る