なぜ返事は押忍なのか?


空手道場に入門して最初に教わったのが、

「返事は押忍おす」でした。


例によって理由は教えてくれなかったので、何年か経ってから気になって自分で調べてみたところ……


特に深い意味はないことが分かりました。

由来にも色んな説があって、どれが本当なのかハッキリしません。


「おはようございます」がだんだん短くなって「おす」になった、という説が有力なようです。


「押忍」という漢字も当て字で、「押して忍ぶ」という精神論も後付けのようです。


要するに、教える側もよく分かってなかったのです。

なんとなくノリで始まった言葉が偶然広まって、意味も分からずみんな使うようになった。

人間社会ではよくある話です。


筆者は指導員時代、子どもたちには「押忍」という言葉を一切強要しませんでした。

誤って学校で先生に対して「オス!」なんて言ってしまっては大変ですからね。


そう、道場の外で目上の人に対して「オス!」なんて言ってしまっては大変なのです。

つまり、この言葉はどこか荒っぽいのです。品がないのです。


意味もあやふや。

印象も荒っぽい。

こんな言葉が定着してしまったことを、筆者は悲しく思います。

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