第373話 リムラ村の傷跡

大火災を起こした夫婦の自殺によって

リムラ村人たちは

怒りの矛先を誰にも向けられず

大きな傷跡を残していた


そこでガデム村 

ガンメル村長は妻ルスタと

ヨーデルとサラを連れ

リムラ村を救うべき 救援物資を運び

民家一軒づつ 回っていった


しかし収穫物を失った事により

生計が成り立たないと・・

村人の半数がリムラ村を離れてしまった


「ガンメル村長!

今回の火災の影響は

とても大きいですね。。」


「ああ・・・・・

しかも火災を起こした張本人が

自殺をしたというのは本当か?」


「そのようです!

本当に大変な事件だったようだなぁ・・」


ガンメル達は、言葉が出ず

深い溜息をついていた


「そういえば

預言者アブラハ様が目をかけていた

ダン親子に 影響はなかったか?」


「彼らは 無事だったようです!

確か娘の葵が 今回の悲劇に対して 

村人達に 声をかけて 

少なからず貢献してくれたようです・・」


「そうか・・僅か10歳なのに

大したものだな?」


「もしや・・・その子が巫女様では?」


「巫女様?

それはないだろう・・

確かに利口な子で 

他の子供にない大人びた雰囲気があるが・・」


「ルスタ サラ

お前達はどう思う?」


「私達は 妖精族の守護者です

歴代の巫女様に仕えてきた一族ですが

もし彼女が巫女様なら すぐに分かります!


まだ会った事はないですが・・

この村において妖精族の力は 

まるで感じられません

恐らく・・・違うとは思いますが・・」

(もしかしたら まだ目覚めていないだけかも?)


「そうか まぁ良い!

とにかく リムラ村の救援が最優先だ!


今回 放火をした夫婦は

悪根の呪術者であった 

可能性が高いのだな?」


「そうです!

彼らが 放火後 村を追放されたのですが

村人達に対して 恨みを抱き 

報復として 異臭を放つ 悪行を働きました・・

ガデム村にも 強い異臭が 流れてきましたよね・・

異臭の中に悪根の術が感じられました・・


まだ匂いが残っているので

村人たちの精神に悪影響を

及ぼしているようなので

我ら 妖精族の秘術で 匂いを中和させ

精神的に傷ついた村人達の

カウンセリングを行うつもりです」


「そうか・・

では宜しく頼む!」


ルスタ サラの妖精術による精神汚染の解放

そしてガデム村からの救援隊によって

リムラ村は 何とか立ち直る事ができた・・


<しかしそれから1カ月後 

悲劇が再び起きた>


◆◇


その晩 リムラ村で

世にも恐ろしい 事件が起きた


何と!墓場が 

荒らされていたのだ

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