第283話  葵巫女VSアポリュオン⑥

巫女はひとつの時代に

ひとりしか生まれない

親から子へ継承するのではなく


神からの招聘によって決まる

神がその時代に生み出される


しかし初代巫女の時代

神は双子の少女を誕生させた

初代巫女エヴァと妹アポリュオンである

ふたりとも美しい少女であった


人々は二人姉妹を愛し

成長と共に 巫女としての

優れた力が開花していく筈だったが・・


神が巫女として選んだのは

姉のエヴァであった


しかし妹アポリュオンも特別な少女であり

神との対話が許されていた


神は優しくアポリュオンに語り掛けた


「アポリュオンよ!

あなたは私の大切な子!

私はあなたを愛しています


あなたも姉エヴァ同様

神に選ばれた存在!


どうか姉エヴァが巫女として

時代の人々を導けるように

彼女を支え、力となって欲しい!


エヴァはこれから

巫女としての力を身に付ける為に

神の世界『ワールドの世界』

行き来する事になります!


アポリュオンよ!

あなたも巫女に次ぐ立場であることを自覚し

良き妖精族の守護者となれるように

力を身に付けなさい!!」


◆◇


「巫女よ!

お前は何度ワールドの世界へ行った?」


「・・・・・・

3度だけです」


「私は姉と共に

何度も『ワールドの世界』へ行き

妖精族の秘術を学び、体得していった


お前がすでに手にした

第1神具から第4神具も熟知している

それにお前が手にしていない残りの神具も

私は知っているのだ!

お前は私には決して勝てない!!」


アポリュオンは魔力を強め威嚇し

葵巫女を睨みつけた!!


「それが何だと言うのですか?


あなたは過去で初代巫女様に近い

立場であったかもしれない・・


しかし巫女ではなかった!

あなたにその資格はなかったのです!!

初代巫女様の側で使え

神具を近くで見てきていたに過ぎない・・


神具は巫女だけに

与えられた神の力

知っている事と扱えるかは別物


私は神の力を用いて

あなたを倒してみせます!」


「それはどうかな・・」

アポリュオンは不気味に微笑むと


『竜頭の指輪』を外し

神魔具「赤星劔」に装着すると

突然禍々しいオーラを発し

葵巫女を100メートル高く天空へ吹き飛ばした!


葵巫女は即座に

『黄金の王冠』のティアラを身に付け

巫女勇者のオーラを発動していた為

致命的なダメージに至らなかったが・・


巫女の未来予知が外れたのだ!?

これまでは次の攻撃を予測し

対処できた筈だが・・


「どうして未来予測ができないの!?」


「巫女よ!

神具に宿る神の力は偉大だ!

しかし相手の力を無効化するのは

巫女だけの秘儀ではないぞ!


覚悟せよ!!」


アポリュオンは

神魔具「赤星劔」を振り上げ

大地に突き刺すと

地面が大きく揺れると


地下深く眠っていた

アポリュオンの『闇夜邸』が

突然浮上してきた

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