第279話 葵巫女VSアポリュオン②

アポリュオンの表情は

氷のように冷たく

語る言葉は冷徹であり


かつて初代巫女の妹であったとは

想像もつかなかった


「何故 あなたは変わってしまったの?」


「変わってしまった?だと・・

私はもともと巫女の素質はなく

姉の影で生きてきた


影の存在だったのだ・・・


◆◇


大陸エデンにおいて

人々は姉を 神のように扱い

愛され 尊敬され

傷ついた者がいたら 親身に介抱し

初代巫女として 

時代が姉を必要としていた


私も姉のように生きたい!思っていた

しかし私は神に選ばれた存在ではなく

妖精族の守護者に過ぎなかった・・・

それでも 他の守護者に比べて

高い能力を所持していた為


姉の片腕として 

巫女に仕えていたのだ

最初はそれでも良いと思っていた

それが私に与えられた使命であると・・・


しかし次第に私の心に変化が生まれた

同じ時代に生まれ

姉と容姿も才能も 

さほど差がない筈なのに

なぜ神は姉を巫女として招聘したのか?

≪私はただの凡人・・≫


許せなかったのだ・・

私は次第に妬みの思いが増幅し

さらに大きな力を求めるようになった!


そしてついに!

巫女だけが入る事を許される場所

『エデンの園』を意識するようになった!

そこには神の力の源とされる 

『禁断の果実』がある

≪私も神のようになれる!!≫


私は姉を超えたかったのだ!

その為には 神の力が欲しい!

私の内に 抑えられない欲望が噴出し

抑えられなくなった!!!


そしてついにエデンの園へ

足を踏み込んだのだ


しかし前途多難だった・・


善悪の知識の木は

目の前に見えているのに

近づく事が許されない・・・


私はひたすら彷徨い歩いた

何日も・・何日も・・・


しかし密に修練を積んで身に付けた

『禁断の秘術』を用いて

ついに辿りついたのだ!


私の心は歓喜した

これで私も神のようになれる!

姉を超える時が来たのだ!と


◆◇


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る