第280話 葵巫女VSアポリュオン③

善悪の知識の木は

見た目に美しく

香しい魅惑の果実が実っていた


私は手に取ると

全身に緊張が走り 

半端ない高揚感が湧いてきた


しかし巫女である姉から聞かされていた


『園の中央にある木の実については

あなたがたは それを食べてはならない

それに触れてもいけない

あなたがたが死ぬといけないからだ』 


≪食べたら死ぬ?≫


私は一瞬恐怖が湧き

その場を離れようとした

触れてはいけない

禁断の果実であることを!

『本能が離れよ!』と命令したのだ


今思えば 姉である巫女が

私が過ちを犯し

神に反逆しないように

私の為に祈っていたようだ・・


≪その時だ!≫

あの方が 

蛇の姿で近づき

私に声をかけてきた


『園の木のどれからも食べてはならないと

神は本当に言われたのですか?』


「・・・・・・・・・・・」

私はこれまで感じた事がない緊張感が走った

あの方の言葉が続いた・・


『あなたがたは決して死にません・・

それを食べるそのとき

目が開かれて あなたがたが神のようになって

善悪を知る者となることを

神は知っているのです!』


私はあの方の声に魅了された


≪神のようになる≫ 


≪神のようになる≫


≪神のようになる≫


≪巫女である姉を

ついに超えられる!!≫


私は抑えられない欲望に身を任せ

ついに!善悪の知識の木の実を捥ぎった


その木は食べるのに良さそうで

目に麗しく 

またその木は賢くしてくれそうで好ましかった


そして私はついに食べたのだ!


しかしその瞬間

≪姉が現れた!!≫


「アポリュオンよ!

どうして このような事を・・・


神が・・・

神が・・・決して食べてはならないと!

言われていたではないですか!!


あなたは取り返しのつかない

罪を犯しました!


蛇よ!!!!!

人を惑わし 堕落に落とし入れ

神に反逆するよう 

仕向けたお前の罪は大きい!!!


起源の存在なる神の御名によって

お前を永遠に封じる!!」


そして初代巫女と古の蛇との

『天地を揺るがす戦い』が始まった!!


蛇は本来の姿 魔の化身の姿になり!

私は悪根の力に目覚め応戦したが・・


初代巫女はとても強かった・・

ワールドの世界に座する起源の存在より

『7つの聖典』『7つの神具』を授かり

我々は追い詰められた・・


そしてついに敗北に至った

私は負けたのだ!!

そして大陸エデンを追放された


当時地殻変動が起こる前で

大陸エデンと大陸ギホンは

ひとつの大陸であり

私はその地で生きた


そして大陸アシュルに

古い蛇である魔王が封印された


初代巫女は

魔王の封印がいずれ解かれる時代が来ることを

未来予知し 妖精族の加護者と

ルエラ民族を各地に派遣し

神から授かりし『7つの聖典』『7つの神具』を

7つの大陸で安置させ 

守らせてきたのだ!


私はその時代を生きた

しかしある時 

自身に起きた変化に気付いたのだ!

「年を取らない!?・・何故だ?」


善悪の知識の木は

永遠の命を与える伝説は本当であった!

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