第257話 天地のはじまり

「第2の聖典」を手にした葵巫女は

『世界のはじまり』の全てを知った


□ ◆ ◇


≪はじめに

神が天と地を創造された

地は茫漠として何もなく

闇が大水の面の上にあり

神の霊がその水の面に動いていた


神は仰せられた

『光 あれ。』

すると光があった


◆ ◇ 


こうして天と地と

その万象が完成した


神は第七日を祝福し

この日を聖なるものとされた


■□ ■ ◆◇ (Bible 創世記1章より)


「この世界は

神が造られた素晴らしい

創造の世界であった筈なのに・・


どうして 

今の世は乱れているのか・・」


葵巫女は

エデンの園の

素晴らしい自然に触れ

神が最初に創造された世界が

どれほど精錬されたものであったかを知った


澄んだ水 空気 空の鳥 

地の上を這うすべての生き物が

そのまま園で暮らしており


彼らと親しく触れる中で


これまで自分が暮らしてきた世界が

いかに悪に染まり

自然界が汚れているのか

病が人を苦しめ

人が心に思い描く願望が

私利私欲に満ちた 愚かなものだった


葵巫女は

人類は神に反逆して生きてきた

数千年の歴史を 

その身に感じた


何故、巫女が誕生したのか?

巫女が人類の救世主(希望の光)となったのか?

全てを(神の心)理解した・・


「この世界を

再び立ち直らせる為に

神の選民『ルエラ民族』を

救出しなくてはなりません!


◆◇


「族長アロンよ!

今からアーサー国バラク王に

接見をしなくてはなりません!」


「はっ!」

「モーゼの杖」を手にした葵巫女は

もはや何者をも近づけさせない

覇者の王のような威厳に満ちていた


天からの祝福の光が

昼夜絶えず照らされ続けていた

誰も巫女を直視できない為

葵巫女は再び「巫女ヴェール」を被り

(アーサー国 宮殿の前へ)


もはや葵巫女を

捕らえることなど不可能であり

アーサー国 市街地住民たちは恐れ畏み

ひれ伏すのであった


「あなたが

バラク王ですね!」


「貴様が巫女か!」

ふたりは睨みあった


バラク王は

「赤い星」組織の魔宝

『暗黒の盃』による

暗黒の支配を強める強力な呪術を受け

闇の毒蛾がバラクの魂を汚染されていた為

聖なる存在『覚醒した巫女』

を前にしても怯む事はなかった


「巫女よ!

我らと勝負しようではないか!

巫女の力と悪根の呪術

どちらが勝っているか!!


呪術長ファラオよ前へ!」


ファラオは自分の杖を

葵巫女の前に投げた!

すると何と蛇になり

葵巫女とアブラハ達に

襲い掛かろうとした!!


しかし葵巫女が

「モーゼの杖」を地に投げると

同じく蛇になり

ファラオの蛇を飲み込んでしまった!


しかしバラク王の心は硬く

ルエラ民族の奴隷解放を拒んだ!

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