第217話 軍団長リヴァイ①

「カール皇帝!

折り入って話があります!」


「葵巫女様

私にできる事なら

何なりとお申し付けください!」


「私が巫女である事は

大陸エデンでの大切な任務が終わるまでは

しばらく伏せておいて欲しいのです!


私は巫女としての力を

最小限に抑えて旅を続けてきました

もし知られてしまったら

どのような攻撃に合うか分かりません


自国であれば対処の方法があるでしょうが

辺境の地で思わぬ攻撃を受けたら

大変な被害を受けるかもしれない」


「葵巫女様!

今回王都の秩序が回復できましたら

我が国も巫女様の傘下に入れて頂きたい!

しかし今の状態では。。

私は皇帝であっても・・何ら力はありません・・

申し訳ございません・・」


「いえ・・ありがとうございます!

そのお気持ちだけで十分です!

とても心強いです!」


「しかし・・・

我が国ギルデロイ王都は

長年「赤い星」組織が

王都の中枢部まで影響を

受けておりました!


王都議会の多くの

議員と上級貴族は

「赤い星」組織の息がかかっております!


そして私の力はあまりにも弱い・・」


「サイカさんが

おられるではないですか!」


「そうですね!

弟は議長まで務めた逸材!

彼を慕っていた議員は

今でも複数おりますので

サイカが復帰したらなら

きっと協力が得られるでしょう!」


それに彼らは皇帝である

私が呪縛から解放された事をまだ知りません!

それを逆手にとって

彼女の裏をかけたらと思います!」


「彼女?

彼女とは誰の事ですか?」


「赤い星」組織の右腕とされる

総軍司令省の第一軍団長リヴァイの事です!

彼女はかなりの曲者なのです!」


「リヴァイは女性だったのですね?

どのように曲者なのですか?」


「彼女は魅惑な女性で・・

気を許すと、彼女の指示通りに

動いてしまうのです!

恐らく悪根の呪術によるものでしょう!


かつてこの国にも

妖精族の加護を受ける

加護者が数人いたのです!


しかし・・彼女から発せられる

魅惑の術によって加護者も・・・

堕落してしまいました・・

それ程恐ろしい魔力を秘めているのです・・


だからどうか!

お気をつけてください!」


「私は見ての通り女性です!

誘惑される事はないでしょう!」


「いえ・・・女性も男性も関係ないのです!

それほど強烈な誘惑で・・

人を堕落させます・・」


「細心の注意を払いましょう!

事前の対策が幾つも必要ですね!

(リヴァイの呪術を無効化しなければ・・・)


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