第188話 巫女のオーラ

「葵巫女様

これから大陸エデンに

到着するまでの道のりで


「赤い星」組織の手下との

遭遇する確率は極めて高いと言えます!


我々でさえ

2日前に敵の襲撃に会い

捕らえられそうになったのです!」


「何だって!2日前とは

どういう事だ?ナミ!

我々との接触の動きを

敵に悟られているのではないか?」


「ラッセル伯

それはありません!」


「何故そう言い切れる!」


「敵は葵巫女様が

王都を出られた事を

まだ知られてはいません!


以前アーサー国の

特殊部隊レッドベレー軍が

市街地混乱に乗じて

王都銀行を襲撃する事件までは


内偵が潜み

情報が流出していましたが

今は捕らえられていますし


スンツヴァル王都における

葵巫女様の影響力は絶大で

今や王都議会は刷新され

葵巫女様と使徒の強い影響下に

あると言えるでしょう!


それ故に

葵巫女様に関する機密事項は

限られた者しか知らない筈です!」


「そうなのか?」


「しかし油断はできません!

これからの旅はより注意深く

ならなければなりません!


先の部落での宿泊の際も

葵巫女様は、末っ子の少女として

立ち振舞っておられましたが

村長は、何か特別な力を感づいているようでした!


葵巫女様は

オーラが違うのです!


私達も・・・

先程からずっと緊張しているのですよ・・

震えが止まりません・・・


葵巫女様の前に

平常心でいることは難しい!


平凡な住民でさえ

葵様に言葉をかけられるだけで

心の真髄に響く力が及びます!


「人間力」が強まり

何事にも前向きに

積極的になれるような

「人間変革」が多少なり生じるのです!

これは素晴らしい力

巫女様だけに備わっている

特別な力といえるでしょう!


しかしその力を

コントロールできなければ

これからの旅の間で

「赤い星」組織の部下に

間違いなく感づかれてしまいます!」


「私にそのような力が?

流れているのですか?

確かに、王都に来てから

潜在能力がアップしたような気は

していましたが・・・


「クリス王子やヒナタさんはどうですか?

葵巫女様と長い時間一緒に過ごし

ご自身に変化を感じていたのでは?」


「確かに・・・私達は

もう以前の自分達ではない・・・

預言者アブラハの息吹を受けた時

驚くべき行動力が開花しましたが


葵巫女様からも同様の力

いえそれ以上の影響力が伝わってきて

いつも内に燃えるものを感じるのです!


これは市街地でリバイバルが起きた

神の臨在が常に感じられたように・・・


「神の存在」

を強く意識します!」


「それは葵巫女様が

神に愛されている存在であり

特別な妖精族の

「加護主」

であられるからです!」


「葵巫女様は巫女であられるので

ご自身の力を抑える事は

難解であると思いますが


どうか普通の少女のように

自然体でおられますように

務めてみてください!


もちろんそれでも敵に遭遇する事は

あるかもしれません!


しかし巫女様である事が

悟られなければ

回避する術はいくらでもあります!


我々も妖精族の加護者であり

「特別な訓練」

を受けておりますから!

その点はどうかご安心ください!」


「ありがとう!

頼りにしてますよ!


そして私も努力してみます!」


「大丈夫です!

葵巫女様なら

容易いことです!」


「さぁ!今から

旅が無事に達成できるように

共に祈りましょう!


必ず神が助けてくださいます!」

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