第187話 追跡者の正体③

「私達はこの20年

大陸エデンと

王都を往復する事を

責務としてきました!」


「何故ですか?」


「それは我々一族は

歴代の巫女様に

お仕えしてきた民族であり

近い将来巫女様が

誕生される予言が示され


大陸エデンへの

安全な道しるべとなれるように

備えてきたのです!


巫女様は

『我々リエラ民族を

救ってくださる運命にある』と

信じ語り継がれてきました!


「我々を救う!とは

どういう意味ですか?」


「実は・・・

我らルエラ民族は

8割が奴隷として捕らえられ

アーサー国に連れ去られているのです!

もう50年になります!」


「何ですって!?

50年も奴隷とは...

どういう事ですか?

一体何があったのですか?」


「実は我ら一族とアーサー国は

元々友好的な関係だったのですが

時の権力者が代わり


我々民族は多産で数が増え

力をつけ始めた事を危惧し

いつか敵側についてはいけない!と考え

奴隷として支配出来るように

「赤い星」組織と手を組み

武力で制圧を図ってきたのです!


我々は非力であり

抵抗を試みましたが

力の差が歴然であり

歯向かう事はできず

奴隷として加重な労働を

強いられるようになり


最近は扱いが酷く

あまりにも過酷な労働である為

その叫びは天にまで届く程です!」


「それは・・・

何と言う事でしょう!!

奴隷の束縛が・50年もですか・・

あなた方の目からは

数えきれない命の犠牲が見てとれます・・

何という辛く・・苦しみの血の数々・・」


「葵巫女様!

どうか奴隷として苦しめられている

我が同族をお救いください!

このままでは......


我ら一族は滅びてしまいます!」


「ナミとソルカ・・・」

葵巫女は深い胸の痛みを感じた


「私は巫女として

あなたがたを必ず救ってみせます!

私は、自分にできる事は

何でもするつもりです!


しかし敵である「赤い星」組織は

生半可な攻撃では

通用しないでしょう!」


「葵巫女様

今回、大陸エデンに来られる目的

「第2の聖典」と「モーゼの杖」を

巫女様が入手する時

「偉大な救いが成就する!!」

『全ての苦役から解放され、自由の身になる!』

我々はこの預言をずっと信じ

語り継がれてきました!

ついに予言が成就する時です!!


その為に、巫女様を何としてでも

大陸エデンに来て頂き

伝説聖典と武具を

入手して頂きたい!


どうか我々リエラ民族を

お救いください!!!」


「分かりました!

必ず手に入れましょう!

そしてあなたがたリエラ民族を

奴隷から解放してみせます!


私は起源の存在;神に

誓いの請願を立てましょう!!」


「葵巫女様!!!!!!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る