第179話 藁のベット

その晩、葵御子達は

藁のベットの上で一晩過ごした

兵士達は交代で、警備をおこなった


「ここは良いところね!

私の故郷リムラ村を思い出します!


父さんが悪根の支配を受けたあと

家の中で寝る事が許されず

ずっとここと同じような納屋で寝ていたから・・


その時の事を思いだすわ!」


「葵巫女様は

リムラ村で・・・

このような環境でお過ごしに?」


「そうですよ!

 クリス王子!」


「そうですか・・・・・・」

(クリス王子は匂いに耐えられず

限界に来ていた・・)


「ヒナタは眠れそうですか?」


「大丈夫です!

私も裕福な暮らしではなかったですが

実家に納屋はあり、よく世話をしてましたから

この匂いも懐かしく感じます!


クリス王子やラッセル伯は

王族と上級貴族ですから・・・

眠れないのでは?

荷馬車で寝ても良いのですよ!」


「いえ・・・

大丈・・夫です

これしきの匂い・・

うっ!ぷぷ・・」

クリス王子は気分が悪くなり

表に飛び出していった!


「あらあら!大変ね!

アーバス隊長!

クリス王子の看病を!」


「承知致しました!」


「クリス王子

大丈夫ですか?」

アーバス隊長は背中を摩り看病した


「うっ・・・これしき・・大丈夫です!」

(これは無理ね・・・馬車の荷台で

寝て頂いた方が良さそうね・・・

私も眠れそうにないわ・・・はぁ・・

この先が思いやられるわ・・・)


◆◇


「ヒナタ

眠りましたか?」


「いえ・・葵巫女様こそ

まだ眠れないのですか?」


「いろいろ考え事をしてしまって・・・」


「お父様の事ですか?」


「ええ・・・父さん

元気でいるかな?と思って・・

最後に別れて1年近くなるから・・・」


「大丈夫ですよ!

必ず見つかります!


私毎日お祈りしてますから!」


「ありがとう!ヒナタ!

あなたこそ・・サクラに会えなくて

寂しくないですか?」


「寂しくない!と言ったら

嘘になりますが・・

でも大丈夫です!


私は・・何度も言いますが

葵巫女様は私にとって大切なお方です!

命の恩人です!

だから・・・お力になりたい!」


「ありがとう!ヒナタ

そんなに私の事を大切に思ってくれて・・

とても嬉しいです!


一緒に寝てもいいですか?」


「勿論です!」


葵はヒナタの側にいき

添い寝をするように寝入った


「神様!

私達をお守りください!」

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