第173話 大陸エデンへ②

同時刻

葵巫女がひとり

MIKOハウスを出る様子を

察知する者がいた!

ヒナタとクリス王子である!


「ヒナタさん!

あなたは幼い子がいるのですから

ここに残った方がいい!

それに薬物依存の更生施設「希望」の

大切な任務もあるでしょう!」


「クリス王子!

私の任務の重要性は

よく分かっていますし

サクラを置いて旅に出るのは母親として

申し訳なく思っています!


しかし私の母が

サクラを預かって良いと

言ってくれていますし

更生施設は優秀なスタッフが沢山いますので

しばらく任せても大丈夫でしょう!


それに私は・・・

命の恩人である葵巫女様に

どうしても恩返しをしたいのです!


今回の旅で私は・・・不思議ですが

葵巫女様のお役に立てるように

思えてならないのです!


私が行く事で何か

得たいの知れない問題の解決に

繋がるような気がする!

そのような予感が!

予知のような不思議な感覚を

強く感じるのです!


だから私はついていくのです!

これは起源の存在:神が

私に示して下さった事なのですから!

誰も私を遮る事などできません!」


ヒナタの決意は固かった!


◇◆


「それよりクリス王子

あなたこそ残るべきです!


あなたはこの国の皇太子!

旅に出る事は

危険が多すぎます!」


「いいえ!

私は皇太子であるからこそ

葵巫女様をお守りする事が

私の務めだと思っています!

私は命にかえてお守りしたいのです!」


「でもこの国の精鋭部隊

ヘルシングランド隊の

隊長と隊員が同行するのですよ!

警備という点では、お役に立つどころか

足手まといになるのでは?」


「分かっています・・

自分が無力である事は。。


しかし今回の旅で

私は大きく成長したい!

強い男になりたいのです!


私は預言者アブラハ様の

妖精族の息吹を受けてから

何事でも強い熱意があれば

できない事など存在しない!と

不思議と勇気が持てるようになりました!


それに・・これは個人的な願いでもあるのですが

この国の繁栄の為にも

もっと外の世界を知りたい!

そういう思いも強くあるのです!


私もヒナタさんと同じく

神の導きを強く感じます!

だから・・」


「分かりました・・

そこまでの覚悟があるのでしたら

共に旅について参りましょう!」


「ありがとう!

ヒナタさん!!」


クリス王子とヒナタは

互いの決意を確認し合うと

葵巫女を追って

表に飛び出すのであった!

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