第168話 葵巫女の過去の傷②

エルサ王女達は

MIKOハウスのリビングから

葵巫女の居室前に移動すると

気持ちを落ち着かせ静かに

ドアをノックした


「葵巫女様

今カーニバルから戻りました

遅くなって申し訳ございません!」


「エルサ王女?

お帰りなさい!

カーニバルは楽しかったですか?」


「はい!

本当は葵巫女様と一緒に行きたかったですが

少しお疲れのご様子だったので・・・

大丈夫ですか?」


「ええ!私は大丈夫です

今日のセレモニーが無事に終わり

今すごくほっとしています!


私が王都に来てから積み上げてきた

皆で取り組んできた政策が

ようやくスタートラインに立てたので

今すごく嬉しいのです!」


「そうですよね!

葵巫女様が来られた頃は

大きな騒乱がありましたが、今は収束し

人々にようやく笑顔が戻ってきたように感じます!

すべて葵巫女様のおかげです!」


セレモニーの時もそうですが

カーニバルにおいても葵巫女様の話題で

持ち切りでしたよ!

みんな葵巫女様に・・・本当に感謝して・・」

(エルサ王女は感極まって涙ぐんでいた)


「エルサ王女・・・」


「ごめんなさい!

葵巫女様

私・・・すごく嬉しくって!!」


「エルサ王女

あなたは今日とても勇気ある宣言

をしてくれましたね!

あなたは私の誇りです!

本当にありがとう!


私は心から

あなたを労いたい!

抱きしめてもいいですか?

私のハグは元気が出るのですよ!」


「知ってます!

いつもヒナタさんばかり

ハグをされているから

内心すごく羨ましかったのですよ!」

葵巫女はエルサ王女に近づき

優しくハグをすると

エルサの涙は笑顔にかわり

少し緊張がほぐれてきたようであった!


「葵巫女様!

私は今も高揚感が残っていて・・・

何だか一皮むけたような

大人の女性に一歩近づいたような気がします!


今日のセレモニーの

「処女宣言」スピーチは

とても緊張しましたが

勇気ある宣言ができた!と

自分でも誇りに思えています!


私は自分自身を

これからも大切にしたい!

18歳で結婚するまでは

王都の結婚律を守り

皆の手本になる生き方をして参ります!


それに葵巫女様!

私・・実は好きな人ができたのです!

だから今、その男性の為にも

自分自身を大切にしたい!と

そう思えているのです!」


「エルサ王女には

好きな人がいるのですね?

とても素敵な事ですね!

そしてその心意気は立派です!」


「葵巫女様は

好きな人はいますか?」


「私ですか?

・・・・・・・

考えた事ないですね!」


「葵巫女様は

ご自分の魅力を

分かっておられないようですが

私など比較にできない程

素敵なお方ですよ!」


実は私・・こんな事を言うのは

すごく傲慢で、恥ずかしいのですけど

葵巫女様に出会うまでは

この国で自分が一番キレイだ!

とずっと思っていたんです!」

(エルサ王女は照れた様子だが

はにかむ様子は、少女らしい

愛らしい笑顔を見せていた)


「エルサ王女は

とても素敵ですよ!」


「いえ・・上には上が

葵巫女様がおられます!

葵巫女様は、女子達みんなにとって

憧れの存在です!」


「ありがとう!

エルサ王女!」


「葵巫女様・・・

実はさっき

葵巫女様のリムラ村での過去の話を

少し聞いたのですけど・・・


一緒にお風呂に入れるのは

私はすごく嬉しいのですけど・・・

肌を見せて大丈夫ですか?」


「そうですか・・・

サラさん達に聞いたのですね?」


「はい・・・」


「さぁ!

エルサ王女行きましょう!

みんなに声をかけて!!」


◆◇


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