第167話 葵巫女の過去の傷①

「葵巫女様!!!!

それはなりません!!!」


「サラ!

これは決定事項です!

この国の為でもあるのです!

どうか受け止めてください!」


「でもアダム皇帝をはじめ

私以外の使徒達も

みんな反対する筈です!


みんな葵巫女様を・・・

とても・・・とても大切に

思っているのですから!!」


「ありがとうサラ!

私もみんなの事を

大事に思っていますよ!」


「葵巫女様!!

それなら・・みんなに相談を!!」


「半年だけです!

しばらく巫女職を休み

なるべく少人数で大陸エデンへの任務を果たし

父ダンを救出したい!」


「葵巫女様!

今回の任務は

皆も理解しているつもりです!


そうではなくて!

その方法はあまりにも・・・」


「明日です!

明日早朝まで

決して他言しないように!


良いですね!サラ!」


「葵巫女様・・・」


◆◇


「エルサ王女!

カーニバル!

とても楽しかったですね!」


「そうね!」


勇者ラック

エルサ王女とクリス王子

アニー、デル、シズ、ヘルド7人は

シティーカーニバルを終えて

MIKOハウスに帰ってきた


「サラさん!

葵巫女様は?」


「お部屋です!」


「ん?

何かありましたか?

サラさん!」


「いいえ・・・

何でもないわ!ラック!

それより

葵巫女様からの

伝言なんだけど


エルサ王女と

デル、シズ、ヘルド

葵巫女様が、私達と一緒に

お風呂に入りたい!と

おっしゃっているのだけど?」


「えええ!!!

本当ですか?

ずっと一緒に入りたかったのに

葵巫女様、恥ずかしがって

一度も入ってくださらないから」

エルサ王女はとても燥いでいた!


「それとラック!

葵巫女様が男性陣に

デムの実のサンドイッチを

夜食に作って欲しい!って

おっしゃっていたわ!

お願いできる?」


「勿論です!」


「それよりサラさん

葵巫女様・・本当に

私達と一緒にお風呂を?」

デルは心配そうに尋ねた


「ええ・・・」


「でも・・・

まだ古傷が

残っているのでは?」


「そ・・そうね!」


「どういう事ですか!?

葵巫女様の身に何が?」


エルサ王女が皆の様子が

あまりにもおかしく

事情を聞くと・・

強いショックを受けた


「そんな・・・

どうしてそんな事が。。」

エルサ王女は

葵巫女の傷の意味を知り

耐えられず・・

両手で瞼を押さえ。。蹲ってしまった



「皆さん!

あまり動揺しないで!

葵巫女様は、ただ皆さんとお風呂に入って

楽しい時間を過ごしたい!

それだけなのですから・・・」


ラックは

その場を離れるように声をかけた


「クリス王子!

私達は、あまり深入りしない方が・・

さぁ!言われた通り!

デムの実のサンドイッチを

作りましょう!」


「そうだな・・・」

クリス王子達は頷き

キッチンへと向かった



「葵巫女様・・・」

ラックは神妙な表情をし

全てを悟っているようであった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る