第158話 エルサ王女の恋②

「アニー!

それよりさっき

オープンハウスパーティ開催の

挨拶をしていた美少女は誰だ?

てっきり貴族のお偉いさんが挨拶すると思ったら

エルサ王女と年齢がかわらない少女が

どうして代表挨拶を?」


「お前ら知らないのか?

あのお方が葵巫女様だよ!」


「えええええええ!!!

あの方が?

巫女様というから

もっと年上の人だと思っていた!


確か噂では美少女コンテストで優勝し

コッツウォルガの町建設を発端に

MIKO事業を立ち上げ

多くの生活困窮者を救ってくれた

みんなが『救世主』と崇めていたが・・


俺たちの父親もようやく

MIKO事業の建設部で仕事が見つかり

人並みの生活を送れるようになり

お学校にも通えるようになったんだ!

つまり葵巫女様は

俺たちにとって大恩人という事だな!


そうか!あのお方が・・・

感謝だよな・・・オレ達!」

レゲス達はしみじみ語ると・・

尊敬の眼差しで

葵巫女を見つめていた


≪本当にそうだよ!

凄いお方だ!≫

アニーも同調していた


■□■◆◇


「母さん!

連れてきたわ!」


ラックは

エルサ王女に連れられ

エリサベツ皇妃の元へ


「あなたが第一使徒であり

この国を救ってくれた勇者ラック?


はじめまして!

私がエルサの母エリサベツよ!

よろしくね!」


「こちらこそ

お初にお目にかかります!

エリサベツ皇妃様!」

ラックは緊張気味だった


「いつもMIKOハウスで

エルサがお世話になっているようね!

この子は我がままを言ってない?」


「とんでもありません!

エルサ王女は葵巫女様を支え

MIKOハウスの仕事を

一番真面目に取り組まれていて

僕はとても尊敬しているんです!」


「ラック!

そんなに褒めないで!

あなたこそ真面目にとても紳士で

いつも女子達が困らないように

影で支えてくれているじゃない!


男子は兄を含めて3人しかいないけど

葵巫女様を含めて

みんなラックの事を

褒めているのよ!!」


ラックは意外だった!

エルサ王女や他の女子との会話は最低限で

僅かしか話をしない筈なのに

こんなにも自分を見てくれていて

評価してくれていたなんて!!


「ありがとう!

エルサ王女!

大変光栄です!!」


≪母さん!

ラックは将来のお婿さん候補なのよ・・

まだ父さんに言わないでね!

ふたりだけの内緒よ!≫

エルサ王女はエリサベツ皇妃の耳元で囁くと

ラックに熱い眼差しを向けるのであった

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