第96話  巫女の発熱

同時刻、葵巫女も

ベットに横になり

最近起こった出来事を

一つ一つ思いかえしていた

「本当にいろいろな事があったなぁ・・・

父さんは無事にいるだろうか?」


葵巫女にとって

父の安否が気になっており

気が焦りつつ、物思いに耽っていると

夜中12時過ぎた頃

次第に身体が火照りだすと

息苦しさを感じはじめていた


「誰かいますか?」


「お呼びでしょうか?

葵巫女様

どうかされましたか?」

葵付きの侍女が隣の部屋から

葵の寝室に入ってきた


「どうも熱があるようです・・・

冷たい水を持ってきて貰えますか?」


「承知致しました!」


「体が熱い・・・

どんどん熱が上がっているように感じる

風邪でも引いたのかしら・・・」

次第に葵は高熱の為

意識が朦朧とし始めた


「葵巫女様!

どうかされましたか?巫女様!!」


「大変!

葵巫女様の意識がない!!

誰か!誰か来てください!!」


巫女宮殿は大騒動になり

ヨーデル執事と巫女府医療院の

医師達が集められた


「葵巫女様のご容態は!?

何故意識がないのだ?」


「高熱の為でしょう!

少し衰弱されているのが、気になります!

熱自体は薬を処方しましたので

時期下がり、意識も戻られると思います!


ヨーデル執事!

葵様は最近、強いストレスを

受けませんでしたか?

精神的にかなりお疲れのようです!


しばらく休養が必要でしょう!

公務は控えるようにしてください!」


「公務か・・・確かに

最近の葵巫女様はあまりにも忙しい・・

しかし葵巫女様でなければ

解決できなかった問題が多々あった


葵巫女様が

巫女就任されて以降

王都で起きるトラブルを解決する為に

かなり無理をされていたように思う!

しばらく休養を勧める事にしよう・・・」


■◇◆◆


それから10日程経過し

借金を抱え路頭に迷っていた8000人が

巫女府領土の特別自然景観地域で

自分達の為の「新しい町づくり」

建設に着手していた


しかも貴族マフィア人質事件で

捕らえられた首謀者達は

葵巫女の恩赦を受け

しかも前職の建設業の腕が買われ

町建設の中心人物として

精力的に働いている!


また新しい町には住まいだけでなく

市街地にある多くの店や工場の

移転計画も進められている


ガンブリヌスカフェは

葵巫女の希望で

「人生について互いに論じ合い

生きる目的や意義を確認しあえる

『新たな憩いの場』をテーマに町の中心部に

2号店をオープンする事になっている!


またルーベンの

アパレルショップも移転するが

条件として借金を肩代わりするかわりに

新しい町の住民に安価で

衣類を提供する事になっていた


住みやすい街づくりの

第一歩が始まっているのであった!

すべて葵巫女の功績と言えよう!!


しかし未だに

葵巫女の様態は回復しておらず

王都では深刻な問題となっていた・・




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る