第82話  ラックの救済計画!

「ラック!

あなたの率直な意見を聞かせて下さい!」


「はい!

葵巫女様!」


「私は葵巫女様と共に

王都に来て まだ数週間しか経ちませんが

毎日、市街地に足を運び


底辺で生活する人々

特に住む家もなく 路上で暮らしている人々と

直に接触し 彼らの話を聞いてきました


彼らの多くの借金を抱え

貴族マフィア達に借金を返す為に 

奴隷のような扱いの苦役を強いられ

中には無理やり犯罪に

手を染めされていた・・

非常に残酷であり 目を覆いたくなる現状です。。


彼らは元々は善良な民なのです・・

しかし流行病の原因となった

イゼベルの実による魔術で

身も心も破綻してしまい

絶望の淵に追いやられているのです・・


王都議会の議員の皆さんは!

今の王都の現状を

どこまで把握されていましたか?」


「それは・・・ 」

彼らは言葉を詰まらせてしまった


「この国は・・

破綻しかかっています

「赤い星」組織の裏組織が

弱い者達を食い物にし

私服を肥やしているからです!


今ここで立ち上がらなければ

この国は近い将来!

完全に崩壊してしまうでしょう・・

もう時間がありません!

危機迫る現状なのです!!」


「そこまで・・・窮していたとは・・」


「あなたがたはどこに

目をつけていたのですか?

盲目になっているのではありませんか!?

情けなくはありませんか!!」


「・・・・・・・・・・・・・」

王都議会の議員たちは

ラックの辛辣な言葉に

何も言い返せなった・・

ラックの勇者としての言葉に

威厳が備わっていたからである!!


「しかし私達には

巫女様がおられます!

これ以上奴らの勝手な振る舞いを

見過ごしてはいけない!


今こそ立ち上がる時です!

もう時間がないのです!!

今すぐ借金で苦しみ

生活が破綻している人々を

一斉に集めて下さい!」


「集めてどうするのだ?」


「彼らが縛られている 

悪根の術から解放し

借金を帳消にし

新しい生活を提供するしかないのです!!」


「ラックよ!

理想は分かるが・・

それは現実的ではなく

かなり困難な事といえよう・・」


「本当にそうでしょうか?」


「葵巫女様!?」


「ラックの提案通りに

今すぐ市街地に行き

借金苦で路頭に迷っている人々を

王都の円形競技場に連れてきてください!」


「葵巫女様

全員集めるには 人数が多すぎます!

8000人もいるのですよ!」


「アダム皇帝!

王都軍隊を出動させて下さい!

それからドルモンド候

巫女府で働いている者達を協力させて下さい!

巫女府には何人位いますか?」


「葵巫女様が

巫女として巫女府に座して下さってから

倍の200人増員しており

他国からの派遣された祭司達を入れると

300人以上になります!」


「それだけの人員がいれば十分でしょう!

彼らを総動員させて下さい!


王都軍隊で8000人を集結させ

巫女府の者達で彼らの為の食事と

毛布と軍事用テントも多数必要です!

彼らの住まいを用意する為です!」


とにかく夕刻までに

全ての準備を整えるように!

今すぐ取り掛かってください!!!」


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