第83話  8000人集結

「葵巫女様!

先程ラックより提案があった

この国で 最も苦しい立場にいる8000人を

ようやく集結する事ができました!」


「ありがとう!

まず彼らに

水と食料を提供してください!

話はそれからです!」

巫女府と王都軍団で協力し

手分けして 物資を手渡し

彼らに優しく言葉をかけ 励ました

ラック、アニー、デル、シズ、ヘルド達も

率先して参加し

一人ひとりに食料を手渡していった


「おじさん!

これを食べて元気を出して下さい!」


「ありがとう・・

久しぶりに食事にありつけた

本当に・・本当に感謝しているよ!

ありがとう・・ありがとう・・」

彼らは久しぶりに人の優しさに触れて

涙を流して 感激していた


「ドルモンド候

見て下さい!

彼らの喜びに満ちた表情を!

彼らは食料だけでなく

人の優しさに飢えていたのですよ・・


あなたがたはもっと早く

彼らに救いの手を

差し伸べるべきだったと思いませんか?」


「葵巫女様・・・

申し訳ございません・・

我々巫女府の本来の職務を

怠っていた事を・・深く反省しております・・」


「しかし彼らは何故ここまで

追い詰められたのですか?

この国の経済を牛耳っている

貴族マフィア達の勢力を

詳しく教えて下さい!」


「貴族マフィアの勢力は

この1年で急激に勢力を伸ばし

市場の50%にまで及んでいます

彼らの存在は脅威と言えるでしょう!!」


「この場にいる幹部達の市場への

影響力はどれ位ありますか?」


「我々は王都市街地の南部に

拠点を置き、市場を支配しております!

南部地域は、上級貴族と富裕層が多く

マフィアの支配が及びにくい地域と

いえるでしょう!


問題は平民達が住む北部です!

平民達の人口は約50万人

その中で職を失い

路頭に迷っている人々がここにいるが8000人

それに加え市街地に住む事もできず

近隣の部落で暮らす者達が

さらに2000人いると言われております!」


「そんなにいるのですか!?」


「部落に住む者達の

生活水準はさらに低いと言われています・・」


「現状はよく分かりました!

私達は覚悟を決めて

彼らに手を差し伸べる方法を

考えなくてはならないようです!」


「ドルモンド候!

ラック達を呼んで下さい!

大切な決断をする為に

彼らに祈りに加わって欲しいのです!」


「承知致しました!」


(葵巫女はしばらく沈黙し

精神統一すると

心の中で静かに祈りはじめた)


「起源の存在:神よ!

どうかこの国で窮している者達を

救う為に 必要な支援の方法を

どうか教えて下さい!!」


ラック達は葵巫女の元に来ると

既に祈りはじめている

葵巫女の姿身体から

かすかに光を放っている事に気付くと

自然と祈り心に導かれ

2人3人が集まりだし

さらに祈りの輪が広がっていくのであった


「何という事だ!

祈りの連鎖が始まっている!

祈りたい!

私達も共に祈ろうではないか!」


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