第75話 リムラ村帰還

「葵巫女様

リムラ村に派遣した一行が

先程全員 帰還致しました!」


「そうですか?

それは何よりです

彼らは無事ですか?」


「実は敵襲に遇い

ヨーデル執事が・・・」


「ヨーデル執事に

何があったのですか!?」

葵は驚いて ヨーデル執事の安否を尋ねた


「実は・・・調査にあたる筈だった

イゼベルの実の調査中、敵に遭遇し

かなり致命傷を受けてしまったのです・・

しかも敵にイゼベルの実を全て

奪われてしまったのです・・」


「何て事でしょう!

イゼベルの実を敵に

奪われた事は残念ですが・・


それよりもヨーデル執事の命の方が大事です!

彼は無事ですか?」


「それが・・・

かなり危険な状態が続き・・

3日3晩意識を失っていたようですが・

息子であるラックが、必死に看病し

葵巫女様より預かっていた神具『琴笛』を用いて

なんとか命を繋ぐ事ができたようです!」


「そうですか?

それは良かった・・

ラックを共に派遣したのは正解でしたね!


本来なら、彼らをこのような危険な任務に

派遣すべきではなかったと思いますが

将来、この国を守る運命にある者達ですから

これも神の導きであったと私は信じています!」


「ドルモンド候!

ヨーデル執事とラック達を

ここに連れてきてください!

彼らを労いたい!!」


「承知致しました!」


□◆◇■


「ヨーデル執事!

今回は、危険な任務について頂き

本当に申し訳なかったと思っています・・


身体の具合の方はどうですか?

まだ顔色が悪いように見えますが・・

大丈夫ですか?」


「葵巫女様・・・

私のような者を気遣ってくださるなんて・・

私は大丈夫です!

もうすっかり回復しました!」


「そうですか!

それは本当に良かったです!!」

葵巫女は本当に安堵している様子だった


「それよりも

葵巫女様!今回の私の失態・・

なんとお詫びしたら・・よいものか・・

私が不甲斐ないばかりに 敵に

イゼベルの実を奪われてしまいました・・・

申し訳ございませんでした・・・」


「ヨーデル執事!

そのように落ち込まないでください・・

今回、イゼベルの実を敵に奪われた事は

残念な事ですが・・

いつか必ず回収できると

私は信じています!


それにイゼベルの実が

都内全体に広がる伝染病の

原因である事が分かっただけでも 

大きな成果と言えるでしょう!


すでに病にかかった人々への治療が開始され

多くの人々が回復傾向にあるようです!

それ故今回の任務は失敗ではなく

大きな成果があった!と

私は、ヨーデル執事たちの働きを

大きく評価しています!

本当にご苦労をおかけしました! 」


「葵巫女様・・

そのようなお言葉を・・」

ヨーデル執事は言葉を詰まらせていた


「さぁ!ラック達も

中に入れてください!

労いの宴を始めましょう!

ドルモンド候!

すぐに準備をお願いします!」


「承知致しました!」


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