第74話 救世主の存在

「お願い・・・誰か!

誰か助けて!!


やめて!!!

私が何をしたというの!!


違うの!

私じゃない!!


私が望んだことじゃないの!


お願いだから

そんな目で私を見ないで・・・」


ヒナタは夢の中で

必死に何度も叫んでいた!

まるでゴールのない迷路を彷徨うかのように。。


ヒナタの心は深く傷ついていた・・・

誰にも理解されず

信じていた対象からも・・・裏切られ

深い絶望の淵におり、まさにどん底であった!!


そして行き場のない自分の人生を恨み・・・

やがて『死』を願いはじめていた。。


しかしある日・・・

たまたま立ち寄った村で

救世主の存在を知った!!


最初は自分には関係のない存在だと思っていたが

ヒナタの心に、まだ遇ってもいない巫女の存在が

自分にとって『唯一の救世主なるお方』である!という

不思議な確信が心から離れなくなり・・・


希望を抱かずにはおれなくなった・・・


あの日から10日

ヒナタは救世主の存在を

ひたすら探し求めた!!


そしてついに!!

リムラ村の救世主の情報を知ったのだった


しかしガゼノ渓谷の川岸で

足を滑られ、心身共に疲れきっていた為

気を失ってしまった・・・


そしてアニーに出会い

巫女様に遇わせてもらえる

不思議な出会いが!

これは神の導き以外にない!と

ヒナタは感じずにはおれなかった


そして巫女宮殿に向かう

馬車の中で、深い安堵感から

うたた寝している時

ヒナタは不思議な経験をした・・・


■□■◆◇


これまでヒナタの魂は

闇に包まれ、絶望の淵の底にいたが


ある『存在』が優しく語りかけてきた


『子よ 安心しなさい!

あなたの罪は赦されました

見よ!わたしは、世の終わりまで

いつも、いつまでもあなたと共にいます』


ヒナタの魂は深い安堵感をおぼえ

優しい抱擁感を感じた


ヒナタは目を覚ますと

目の前に葵巫女の姿が・・・


「巫女様ですね!」


ヒナタは

捜し求めていた救世主に

ついに出会うことができ!

涙が止まらず・・・

これ以上言葉を発すことができなかった


「あなたがヒナタですね!

もう大丈夫です!

安心してください!


これから私が

あなたを守ります!」


葵はヒナタに優しく語り掛け

力いっぱいハグをした


ヒナタは葵巫女から伝わる温もりに

これまでの全ての重荷から

完全に開放されていく

魂の安らぎを感じた


「お疲れになったでしょう!

しばし休息をとってください!」

葵は侍女にヒナタを

巫女宮殿のゲストルームまで案内させた


「今晩一緒に食事をしましょう!

あなたとゆっくりお話しがしたいです!」


「巫女様・・・

ありがとうございます!」


ヒナタはようやく探し求めていた

救世主に出会えたのであった

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