第72話 危機一髪

その頃ラックは

デルとシズのお母さんの手料理をご馳走になり

父ヨーデルとサイカじいさんの帰りを

待たせてもらっていた


「イゼベルの実の栽培場所は

非常に危険なので

子供はついてきてはいけない!

と父さんは言っていたけど 

本当はついて行きたかったよ!」


「ヨーデルさんは

私達に危険が及ばないように

心配してくれいるのよね!」


「それは分かるけど・・

僕達も葵巫女様の命を受け

リムラ村まで調査に来た一員なんだ!

何か出来る事がある筈なんだ!」


「そうよね・・


それよりヨーデルさんとおじいちゃん

帰りが遅いね・・・」


「サイカじいちゃん・・大丈夫かな?」


「ねぇラック!

おじいちゃん達の様子を見に行かない?

この村は平和になった訳だし

王都の兵士が村を守ってくれているのだから

危険はない筈よ!」


「そうかな・・・

何か嫌な予感がするのだけど...」


「母さんなら

詳しい場所を知っている筈よ!」


「それなら教えてもらって

様子を見に行こう!」


ラック達は

デルとシズの母が止めようとしたが

熱心に訴えたので

ようやく教えてもらい

現場に急いで向かった!


「この林の先よね!」


「待って!!

誰か出てくるぞ!!」


洞窟の中からは

武装した一味が10名程出てくると

止めてあった馬車に荷物を積みこむと

走り去ってしまった!


「あいつら誰だろ?

この村の人達でも兵士達でもなさそうだね!」


「とにかく洞窟の奥へ

急いで行ってみよう!!」


ラック達は洞窟の奥深くに入ると

ヨーデルとさいか爺さん

そして護衛の兵士達が意識を失って

倒れているのを発見した!


「父さん!

どうしたの?

何があったの!?

しっかりして!!!!」


「あうあううう・・」

ヨーデルは言葉にならず

目が虚ろになっており 

昏迷状態に陥っていた


「非常に危険な状態だ!

シズ 急いで村のお医者さんを

呼んできてくれ!」


「ラックはどうするの?」


「僕は葵巫女様から

預かっている神具「琴笛」を用いて

父さん達にかけられた

悪根の呪いを解いてみたいんだ!


でも今回はリムラ村の人達が人狂化し 

ひどく狂ってしまった時よりも

厳しいかもしれない・・

かなり濃厚な魔薬を投与されてしまったようだ・・


とにかく急いでくれ!

ヘルドは村人達に救援の要請を!

それから井戸から水を汲んできてくれるかな?

ふたりとも急いでくれ!」


「分かったわ!

ラックも気をつけてね!

ここにいるだけで 気分が悪くなるから

イゼベルの実の成分が空中に漂っているようだから・・・」


◇◆□


ラックは膝を付き

両手があげて 

起源の存在:神に祈った!


『全知全能なる神よ!

イゼベルの実による魔薬に犯され

精神崩壊してしまった父ヨーデル

そしてサイカじいさんと

兵士達をお救いください!


彼らは深い闇の世界に

精神が陥っています


彼らを救えるのは

あなただけです!

どうか我らを救い!

闇の支配から 解放してください!!!』


ラックは真剣に神に祈った!

するとラックの手にある

神具「琴笛」が光出し

天より 声が聞こえてきた


「我が忠実なるしもべラックよ!

そなたの祈りは 天にまで届いた!

闇に犯さされ 呪われた者達に

魔術からの解放を

今ここに!!!!」

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