第71話 ヨーデルの危機

ヨーデルと護衛の兵士達は

ハイドの手下を相手に

激しい戦いが始まった


ヨーデルは商人であり

戦いには不向きであったが

非常に頭がきれ

戦略的に的を得た指示を出し

見事打ちのめす事ができた・・


「ここまでだ!

観念しろ!!」


「クソ・・・

何と小賢しい戦い方をするのだ・・」


「正直に答えよ!

お前達は、ここで何をしていたのだ!」


「・・・・・・・

我々はハイド様に

命じられて ここに来ただけだ!」


「この奥に何があるのだ?」


「俺たちは何も知らない!」

彼らは何かを恐れているようで

決して話そうとは しなかった


「まぁ!良い

調べれば分かる事だ!」


「君達 すまないが

奴らを見張っていてくれ!」


「かしこまりました!

ヨーデル執事様!」


ヨーデルとタスクじいさんは

ハイドの手下を見張らせ

洞窟の奥まで入って行く事にした


洞窟は奥深く

500メートル程進むと 

不穏な空気が流れてきた

そしてさらに奥まで進むと

広く開けた平地があり何と!

イゼベルの実の苗床を多数発見した!


「これがイゼベルの実か?」


ヨーデルは

これまで見た事がなく美しい

赤く煌びやかな実をつけた

イゼベルの実らしき植物を発見した!


「ヨーデルよ!

イゼベルの実を決して素手で触ってはならない

触れたら最後 神経が麻痺し 

意識を失ってしまうぞ!」


「それ程危険な実なのか?」


「そうだ!

これまで多くの村人が

イゼベルの実の栽培によって

廃村化の原因となり

精神汚染を引き起こしたのだ!」


「リムラ村で 

このような危険な植物が

今尚栽培されていたとは・・

葵巫女様が知ったら きっと悲しまれるぞ。。


数年ぶりに平和になったリムラ村に

再び悲劇を起こしてはならない!


サイカじいさん!

イゼベルの実は

ここで完全に燃やしてしまおう!」


「そうだな!

その方が良いだろう!!」


ヨーデルとサイカじいさんは

早速火を起こし 

イゼベルの実の苗床に火を放とうした瞬間

洞窟の入り口で倒した筈の

ハイドの手下であるジキルが現れた!


「やめろ!!

火を放ったら こいつらの命はないぞ!!」

何と!見張り役の兵士達は

人質として捕らえられているではないか!


「ヨーデルさんよ!

久しぶりだな!」


「お前はジキル!

何故ここにいるのだ?」


ジキルはハイドの手下であり

元スンツヴァル王都軍団長であり

悪根の上級術師者であり

ヨーデルが敵う相手ではなかった


「お前達が 

リムラ村に戻ってくる情報が

入ってきたものでな!」


「情報だと!?

一体誰から!!」


「それは言えないな!

ハハハハハハハハ!

イゼベルの実は

非常に高値で売買される商品でな!

燃やされてしまったら大損してしまう!


さぁ!お前達は

ここで死ぬんだ!覚悟しな!!!!」


「オマエラ!

この二人を縛り上げろ!」


「くそ!離せ!

何をするつもりだ!」


「お前さんに

貴重なイゼベルの実を

少しくれてやろうと思ってな!」


「やめろ!!!!!!!」

ヨーデルとサイカじいさんは

イゼベルの実とエスタロスの根で調合し

悪根の魔術を施された秘薬を嗅がされると

瞬時に気を失ってしまった


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る