第39話  巫女府の組織

「葵巫女様!

ガデム村で結成された

リムラ村救済チームですが


当初の予定通り 

ガンメル村長を団長として

あと1時間後 午後14時より 

第一回目の救済活動を行う予定となっております!


私と葵巫女様で 今朝方

先行して救出したシズ ヘルドの家族も

今回の救済チームに参加して貰い

リムラ村の案内をするように 

協力をお願いしようと!

考えておりますが 宜しいですか?」


「勿論です!

シズの家族が協力して貰えると

とても心強いです!


手配をお願いします!」


「それから これは・・

とても難しいご命令なのですが

本当に 皆の前では

これまで通り葵ちゃん・・とお呼びして

宜しいのですか?」


「まだそのような事を

言っているのですか?

サラさん夫婦は 初めてお会いした日から

家族のように 私と生活を共にした仲では

ありませんか?


今更 私が巫女だと

分かったからといって

何故?言葉遣いを 

変えなくてはならないのですか?」


「葵巫女様・・・

あなた様は 失礼ながら・・・

まだ巫女様の権威を 

お分かりになっていないようですね・・

(スンツヴァル王都の

アダム皇帝より 高貴なお立場であるのに・・

まだ伝えないでおこう・・)


「葵巫女様

まだお伝えできていない事があります


実は スンツヴァル王都には

『巫女府』という

巫女様の直轄組織があり

巫女様ご不在の時代にも

数百人の従者がおりました


巫女様が誕生された以上

これから巫女府の組織はさらに増員し

直属の軍隊も編成されるでしょう!」


「直属の軍隊?

数百人の従者?

信じられない・・

巫女府とは一体?」


葵は 巫女府の話を聞く度に


リムラ村の復興計画が進むまでは

巫女である事を伏せて

現場で 共に活動したい!と

願うのであった


しかし事は単純ではない事を

葵自身も分かっていた

自身に宿る 巫女の力が尋常でなかったからだ・・


私が黙っていても

巫女様から流れるオーラは尋常ではなく

ガデム村全域に知れ渡るのは

時間の問題であろう・・


「実は 昨晩のヨーデル家の晩餐会で 

神具「琴笛」が覚醒した情報が

巫女府の館長である

ドルモンド候と腹心のラッセル伯に伝わっており

葵巫女様に会いに こちらに向かっているそうです!」


「ドルモンド候?

確か ヨーデルさんを救った 

アダム皇帝直属の上級貴族の方ですよね?

そのような高貴な方が

何故私を 迎えに来るのですか?」


「巫女様を お迎えにあがる為です!


ご存じの通り スンツヴァル王都は

初代巫女様が 建国した

巫女様の国でございます!

巫女様が 在位されないと 

荒廃した 政権を立ち直せる事はできません!


その為に あなた様は

この世界に誕生されたのですから!」


(世界を救う為に・・

巫女が誕生する?

この伝説は 本当なのだろうか?

しかし 私にそのような力が?本当に?


それに・・・

私が巫女だからといって

リムラ村が解決しないまま

巫女府に 赴く事はできない・・)


とにかく 

第一回目の救済活動まで

時間がありませんから


主要メンバーである

ガンメル村長とルスタ学園長

ヨーデルさん サラさん夫婦

ラックとアニー、デルと

最後の打ち合わせをしましょう!」


「承知致しました!」

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