第38話 サラの驚き

シズ 、ヘルドは身の上を話してくれた


「私たちは

リムラ村東のサキラ部落出身です・・・

父は死にました母とおじいさんと4人で

暮らしできたのですけど・・・


生活がとても苦しくて

畑の野菜を盗んだり 

人の家の納屋に忍び込んだり

悪い事をいっぱい・・・してきました・・・

本当にごめんなさい!!

もう二度と盗みはしません!」


「実は・・母は病気で衰弱していて・・

おじいさんは とても怖い人なんです!

私たちが食べ物を盗ってこないと

ひどく叱られます・・・時には暴力も。。


でも 以前は・・・」


葵はそこまで聞くと・・・

自分の身の上に近い彼らに

深い同情心を抱いた


きっとおじいさんは

以前は私の父のように 

優しい人だったのだろう・・・


葵は想像した・・・

すると彼らの生活が 

実際の映像を見るかのうに 理解する事ができた


リムラ村の廃村化・・

悪の根の影響がなければ・・・

リムラ村は・・シズ達の家族も。。

ここまで破壊される事はなかった筈だ!」

葵は唇を噛みしめ 胸が痛むのであった!


(何とかしなくては!!)


□◆□◇◆


その時だ!

葵の様子の変化に気付いた

サラが 近づいてきた!


「葵ちゃん!

あなたが彼女達の為に 祈った言葉・・

もしかして・・」


「ワールドの世界の言葉です!」


「ワールドの世界?

起源の存在:神に 出会ったという事?」


「サラさん!

ごめんなさい! 

これまで黙っていた事が・・


あなたには隠し事をせず 

全てを話そうと思います! 実は・・・」


葵はこれまで

何度かワールドの世界に行き

魂に深い癒しと 回復を得た事を伝えた・・


そして昨晩 起源の存在;神より

『最後の巫女』である!と

告げられ 新たな力を授かった事を伝えると

サラは 感極まって 泣き崩れた


「巫女様!!!!!!

我が一族は 数百年祈り

巫女様のご生誕を 心より・・・心より・・

待ち続けておりました!


まさか・・私が生きている時代に

あなた様に お会いできるなんて・・

何という光栄! 

何という誉!

私は とても・・とても感激しております!!


葵巫女様!!

どうか・・これまでのご無礼を 

お赦しください!!!」

サラは葵に深く跪き 敬意を示した!


「やめてください!サラさん!

私は ただの少女です

これまで通り 葵と呼んでください!」


「何を おっしゃるのですか?

巫女様は この世界の

最高位に立つ存在なのですよ!

私ごときが 同じ空間で 

息をする事すら もったいない・・

これより私の事を サラとお呼びください!」


「・・・・・・・

サラさん!

私は 自分が巫女である事を

昨晩 知ったばかりなのです・・

まだ自覚はないですし・・

ガデム村の人達には 

まだ伏せておいてください!


リムラ村を救済する計画が始まったばかり

大切な時期です!

彼らが・・今のあなたの態度のように畏まれると

今後の活動に 支障が出てはいけません・・」


「承知致しました!

葵巫女様の ご命令とあらば

お従い致します!」


「ありがとう!サラさん

それより 昨晩店に盗みに入った少女二人は

もう悪根の束縛から 解放していますから

どうか 許してあげてください!

もう悪さは 決してしないでしょう!」


「勿論です!

彼女達の目を見れは 

わたしにも分かります!

すぐに 解放致します!」


「ありがとう!サラさん!

あと 彼女達と一緒に朝食を食べたいのだけど

用意して頂いても 良いですか?」


「勿論です!

すぐに ご用意致します!」


葵はシズ、ヘルドと

一緒に朝食をとり

彼女達に リムラ村の案内を

お願いする事になった


最初の行く先は 2人の家である!


□◆□◇◆

葵とサラは 

ふたりの家に向かった!


「ただいま~母さん!

遅くなってごめんね!」

シズとヘルドの母さんは

病気でベットで横になっていた


「おかえりシズ ヘルド・・・

その方たちは?」


「母さんの病気を心配して 

お見舞いにきてくれたのよ?

それに美味しいクッキーがおみやげよ!

母さん 食べて!」


「あ・・ありがとう」

シズ ヘルドの母さんはマリといい

シズがベットから起こしてクッキーを手渡した


「とても美味しいわ!

ありがとう・・・」


そう言いかけた時

扉にシズのおじいさんが立っていた!


「お前ら!

何勝手に人の家に入ってんだ!」

おじいさんは凄い形相で怒鳴り!

葵とサラに手をかけようと迫ってきた!


その時、葵は怯まなかった

「おじいさん!聞いてください!」

葵はまっすぐにおじいさんを見つめ

力強く語り掛けた!


巫女に覚醒した葵の威光の前に

立ち続ける事はできず・・後ずさりした


「大丈夫よ!

おじいさん落ち着いてください!

私は話を したいだけなの!」


そ葵はおじいさんの手を握りしめた!


おじいさんは 

最初、かなり興奮気味だったが

葵巫女の言葉を聞き

葵の手の温もりを通して

心の闇 悪の根が浄化されていった..


「これは・・・不思議だ

何だか 心が・・・

とても軽くなっていくようだ

ワシは これまで悪い夢を見ていたようだ!」


おじいさんに明らかな

心の変化が生じたのだ!


「良かった!

もう大丈夫よ!」


おじいさんは

悪根の術の呪縛から

完全に開放されたのである!


リムラ村の

ひとつの家族が救われた瞬間であった!!

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