第29話 『洞察と癒し』のスキル

「葵ちゃん!

お疲れ様でした!

今日もお客が多く 大変だったわね?」


「いいえ・・

皆さんの喜んだ笑顔を見ると

とても嬉しい気分になりますね!」


「そうよ!だから

この妖精族の務めは 

神が与えし 尊い使命だと言えるのよ!」


「本当に そうですね!」

葵は 誇らしい笑顔を見せた


サラは そんな葵に日々魅了されていた

何故ならサラ自身 

葵との出会いによって 力が増しており

不思議な感覚になっていたからだ!


妖精族の守護者同士が共同で働くと

2人以上の力を発揮できると

聞いた事があるけれど・・・

私は それ以上のような・・・

(この力は 何なのだろう・・)


「サラさん!

明日は 午前で学校が終わりますので

早めに お店を手伝うようにしますね!


「ありがとうね!

最近では 私よりも

葵ちゃんをご指名の 

お客が増えてきたようなので

忙しくさせて ごめんなさいね!

葵ちゃん人気は凄いわね!!


午前に アデルス学園に行って

昼過ぎから お店の手伝いは

とても疲れるわよね・・

あまり無理は しないでね・・」


「はい!ありがとうございます!

でも私とても張り切っているんです!


お店に来る人達は 

どこか人生に疲れを感じていて

人生の目的を求めてくる人達ばかり

せめて お店で出せる 最高の料理を提供し

心も身体も 元気になって欲しいですね!」


「葵ちゃん・・あなたって子は

日に日に逞しくなっていくわね!

今では 私の方が教えられる事が

多いように思うわ!


でも一つだけ約束して欲しいの!

お店に来る客のすべてを 信用しない事!

時々悪根の術者達が 混じっており

わたしの店を妨害したり 偵察に来る事があるから・・

この間も・・・大変だったしね・・」


「そうですね・・・

でも彼らは 妨害できずに

すぐに店を出ていったようで・・助かりましたね?」


「あの時は・・・葵ちゃんの・・・」

(葵ちゃんは 自分の能力で

彼らの魔術を無効化した事を・・知らないのね・・)


「とにかくこれからは

危険が生じた時は

すぐにガデム村長とルスタさんに

助けてもらえるように!

お願いしているから 安心してね!」


「はい!」


「私は 妖精族の秘術の内

『洞察と癒し』のスキルしかないから

攻撃的な 敵の奇襲にあうと

手に負えなくなってしまうの・・」


「妖精族の秘術にも

攻撃スキルはあるのですか?


他にはどのような秘術があるのですか?」


「私も・・詳しい事は分からないけれど

葵ちゃん あなたはリムラ村に住んでいたから

知っていると思うけど

初代巫女様が残した 石碑を見た事がある?」


「はい!あります

ただ古代文字で 書かれているので

読む事は 難しかったですが・・

何となく 理解できました!」


「葵ちゃん!

理解できた 言葉があるという事?」


「はい!

言葉が読めた訳ではないのですが

石碑に手を触れると 不思議と言葉の波紋が

魂に伝わってきたのです・・」


『世界には神が授けし

「7つの聖典」と「7つの神具」があり

手にした者に 神の力を授ける・・』

と書かれていたような・・」


「葵ちゃん その通りよ!

妖精族の秘術は 「7つの聖典と神具」より

授かる力である!と言われているの!


「それがどのような能力を秘めたものか?

すべては謎に包まれているわ・・

しかし ある程度分類されており

妖精族の守護者達は 

個々に与えられている能力は様々だけれど


歴代の巫女様より

代々授かってきた能力を

伝承してきたものなのよ!」


「そうなのですか?」


「葵ちゃん!それよりも・・

石碑からメッセージが伝わるって・・本当なの?」

(ありえないわ・・

葵ちゃん・・あなたはどういう・・)


「ラックにも 同じように

石碑の言葉を 理解する事ができたようですよ!」


「えっ?

ラックもですって?」


初代巫女様が残した言葉は

伝説の大陸「ワールド」で得た

起源の存在:神の言葉だと・・聞く!


それを読み解く事ができるのは

「ワールドの世界」に

足を踏み入れた者のみ・・と

伝承で記されているのよ


(一体 どうなっているのかしら?)


□◆□◇◆

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る