第7話 預言者アブラハ

「ついにあの方が目覚めようとしている!」

全身を震わせ 天に高く手をあげ

起源の存在:神に祈る者がいた!

彼の名は 預言者アブラハ!


初代巫女が生まれた 

大陸エデンにおいて

神に選ばれた民族がいた 

それがリエラ民族である


預言者アブラハは一族のリーダー的存在であり 

妖精族の守護者として

未来を予知できる不思議な力を持っていた


「我々は、どれ程 

この日が来るのを

待ち望んでいた事か・・・」


預言者アブラハは、巫女誕生に備え

ヨーデルと王都の有力者達を招聘し

ガデム村に派遣したのが 

今から12年前である


それは最後の巫女様が 

出現された時の為であったのだが

彼らには、「重要な使命」とだけ伝え

具体的な内容は知らせてはいなかった


なぜなら 巫女は覚醒するまでは

普通の少女であり、敵に悟られると

危険が及ぶ可能性があったので

内密に準備が進める必要があったからである!


預言者アブラハは

スンツヴァル王都の貴賓であり

万人に尊敬されている存在であったので

アブラハの命令であれば 

彼らは、忠実に従う事ができた!


実際ヨーデル自身も恩義を受けた身であったので

年に1度アブラハの使者が訪れ

村の様子を伝える事を 

忠実におこなっていた!


「さぁ!巫女様の誕生により

時代が大きく変動するぞ!

準備を進めなくては!!

長年苦しめられているわが民族が

ついに解放される時がきたのだ!」


実はリエラ民族は 

隣国のアーサー国に数十年前より支配され

国民の多くが 奴隷として自国に連行され

過酷な労働が課せられていたのだ!

その叫びは、天にまで及んでいた!


しかしアーサー国は軍事力が強大であり

悪名高い「赤い星」組織が君臨し

悪根の術を用い暗躍していたので

人々は、非常に恐れており

彼らに立ち向かう者など 

存在していなかった


「巫女様が必ず

我らを救ってくださる筈だ!!

奴隷解放は間近である!!

神よ! 我らを救いたまえ!!」


「さぁ!スンツヴァル王都の

ドルモンド候に 

至急手紙を送らなければ!!

忙しくなるぞ!!!」



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