第4話 コレクター魂 ①
さて、冒険者登録もした事だし、次は味方探しだな!そう俺は考えていると、何処で話を聞いていたのか、俺がアイテムコレクターである事を知って、一人の青年が俺に話しかけて来た。
「あのー、すみません。アイテムコレクターの方なんですよね?」
「ん? あぁ、今決まったばかりだけど……」
「おぉ……それなら僕に雇われませんか?」
早速スカウトか!アイテムコレクターってマジで頼られるのかな。でも俺レベル1だぜ?大丈夫なんかねぇ。
「あぁ、良いけど。俺レベル1だぜ?」
「いえ、構いません! 最低限の装備は僕が払うので、よろしくお願いします!」
「そうか! それは手間が省けるぜ! いくらで雇ってくれるんだ?」
「そうですね……特にこれからクエストとかやるつもりでは無いので、これから一緒に稼いで行くという理由で、これくらいでどうでしょうか?」
そういうと、俺の手に少し重みのある小さな袋を青年は渡して来た。えーっと……?俺はふと冒険者登録カードを見ると、所持金の項目が追加されている事を知る。
『100ゴルド』
この100ゴルドってどれくらい何だろ?まぁ、いずれ分かるかなー。
「よし! 雇われたぜ!」
「ありがとう! じゃあ、次は装備を買いに行こう!」
「おうよ!」
ギルドを後にして、青年と一緒に武具屋へ行く。武具屋は、何とも物々しい雰囲気を放っており、まるで死ぬ前にいた世界の裏の店感がひしひしと伝わって来やがる。
武具屋の店主もタンクトップで筋肉ムキムキで、スキンヘッドにサングラス。完全に危ない人じゃん。
「いらっしゃい。好きなの選べ」
口数も少ない! はぁ〜怖い怖い。
「うん。じゃあ……えと、まだ名前聞いて無かったね」
「斎藤修平だ。お前は?」
「僕は、レイク・アフェリス。よろしくね。じゃあ、好きな装備選んで良いよ。武器と防具ね」
好きな装備かぁ……大体ゲームに置いては職業に応じてそれに合った装備をする訳だが……大剣を扱う職業は、大抵はゴツゴツの鎧着る人多いよなぁ……。まぁ、あくまでゲームだから、装備に重い軽いとか正直分かんねえんだけどねぇ……いやー身体ごと転生したらきっと重いと初めて分かるんだろうな。
だから俺は最低限の装備を選ぼう。とりあえず鉄のチェストプレートに革のブーツ、革のグローブと言った所かな。えーっと値段は……。
900ゴルド。鉄の剣を追加して、合計1400ゴルド。なるほどね。俺を100ゴルドで雇った割に合ってるな。これでもし装備が一つ1000ゴルドとか超えてたら、確実に装備分の節約として雇われた事は確実になるからな。いやー、安心安心。
「毎度あり……」
「良し、これで装備が整ったね。斎藤君は、この後なんか用事とかあるの?」
用事と聞いて俺はふと図書館から借りた本を開く、無意識に開いた本は魔石について書かれた本だ。
「用事ねぇ……あー、ある。これだ」
俺は、本に書かれているそれをレイクに見せる様に指差す。本の内容は、『スライムの魔石』だ。スライムはこの街の付近にそこそこ湧くそうで、殆ど確率では薬草の増強として使う『スライムの体液』が手に入るそうだが超希少で、スライムのコアとなる魔石が手に入るらしい。
スライムの魔石は、スライムが体内で保有する生命を維持する大切な物で、これを破壊又は、取り出す事でスライムは絶命する。ただし、スライムの魔石はとても脆く、本来なら取り出すと空気に触れただけで一秒もせずに崩壊する。しかし、極稀に空気に触れても崩壊を起こさない魔石を生成する事がある。
と書かれている。非常に興味深い。コレクター魂が煮えたぎるぜぇ……。
「え、まさかこれ取りに行くとか言わないよね?」
「そのまさかに決まってんだろ? うっしゃあ! 街の外に出て、スライム狩りまくるぞおおぉ!」
街の外へ出ると、早速スライムが所々に湧いていた。緑色のぷるぷるとしたゼリーの様な姿。どうやら此処らのスライムは無害らしい。近くを行商人が通り過ぎても一切攻撃しようとはしない。なら簡単だ!早速一匹倒すか!
「でぇりゃああっ!」
スライムの目の前に立ち、切っ先を真下に、剣を垂直に構え、スライムのコア中央を目掛けて一突き。剣はゼリー体にぷるんと突き刺さり、一撃でコアを破壊する。すると、スライムは溶ける様に絶命していった。
「おおぉ……感動だ……!」
今までゲームでPCの画面を見ながらマウスのカーソルをモンスターに合わせカチカチするだけのゲーム生活が、今は体を実際に動かしてモンスターを倒している。これを待ちに待った二次元に入るという誰もが思う夢が叶って、『感動』という言葉以外に何が見つかろうか。
そうしてスライムを一匹倒すと、腰にぶら下げていた冒険者登録カードが静かに光る。何かと登録カードを見ると……早速レベルが上がっていた。
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レベル:2
体力:105
攻撃力:8
防御力:5
魔力:0
俊敏力:7
運力:3
習得スキル:
・レアドロップ1.1%(自動)
───────────────────────────
確実にステータスも上がってやがる……!じゃあ、もっと狩りまくるぜええぇ!!
「うおおおお!」
「わわわっ! 待ってくれえええ!」
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