番外編 マオの一日。

 私の名前はマオである。

 かなり昔に魔王をやっていた時には別の名前があったが、長い封印でその名は忘れた。

 そんな時に時期魔王に目覚めたシルビアに名付けてもらった。

 マオだなんて安直な名前だと思ったけれど、いまとなっては気に入っている。

 決してシルビアには言わないけどな。

 

 シルビアが学園に入って数日。

 毎日のように付いていたが、クラスメイトから距離を置かれるようになったシルビアに「一人でも大丈夫そうだから、マオは今日のんびりしてて」と言われて今日は単独行動だ。

 シルビアが一人で大丈夫か、とも思うけれど、案外図太い神経をしている娘だ。普通のゴレイジョウというものとは違うのは学園で見ていてわかる。

 これでも私はあいつのことを買っているのだ。

 これもシルビアには言わないけどな。

 

 朝、シルビアと同じ時間に部屋を出て、寮を出たところで別れる。

 さて、自由時間だと言われても特にしたいこともない。

 学園のまだ行ったことのないエリアでも見てきてみようかと、屋根伝いに移動する。

 外廊下をざわざわと楽しそうに会話をしながら歩いている生徒を見つけた。

 制服の色がシルビアとは違うので、あれはきっと一般学科だろう。

 その中に一人見覚えのある顔を見つけた。

 シルビアの弟、グレンだ。




後書き

少し番外編を挟みます。

書けたら随時更新していきたいと思います。

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次期魔王の力に目覚めたけど、魔王になるつもりはありません! ひばり @hbr618

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