3:後日談
「あのさ」
お互い、向かい合ったソファーにぐでーっと横になりながら、俺は後輩に話しかける。
「なに」
「やっぱゴム、割り勘にしよう」
「なに。僕が怒ったから? キモ」
「いや、別の埋め合わせをしてもらおうかなって」
「へぇー。で、何で埋めればいいの?」
「……ちょろまかした回数分。あと397回、やろう」
「………」
「………」
「……ぶっ、ははっw ナニそれw」
「笑うなよ……、結構真剣に言ったんだから」
「真剣に言ってそれなん? やっばー、言ってる事超キモいよ」
「そんなにか……?」
「純粋にあと397回抱かせろって言うのも十分頭おかしいけどさ」
「お、おう……?」
「1発10円で換算できちゃうよw 僕のカラダ1発10円って、結構ヒドいと思わなかったわけ?」
「い、いや! そんなことは全然思ってなくて!」
確かに、今考えると相当頭がおかしい上にすごい失礼だ。
「いいよ、397発ね」
「……俺から言っておいてあれだけど、いいのか?」
「いーじゃん、面白そうだし。僕よりもタマの方に心配があるけど」
「……1日5発が限界です」
「鯖読むなよな。今日の限界、3発の子どもちゃんたちも計算に入れてあげようか?」
「いや、それは男が廃るんで……」
「……397発全部こなせるまで、僕ら一緒にいられるのかねー」
「……キモイこと言うけど」
「ん」
「俺らが一緒に居ようと思ってる間は、一緒に居られるんじゃないか?」
「それは当たり前だね」
「……当たり前だな」
一緒に居ようと思ってる間は、一緒に居られる。
当たり前だ。
少なくとも今の俺は、一緒に居ようと思っている。
今わかるのは、そのことだけだった。
我ながらふがいない男である。
寝起きの自販機に目覚ましの唾を 360words (あいだ れい) @aidarei
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます