第3話「はじめての仲間」
おれとおとどはガブリエルさんから盗んだ馬で始まりの町マシュロンの酒場に来ていた
「どうするんだおとど。あんなことやらかしてえええええええ。あ。お姉さんビールと唐揚げひとつ。」
「仕方ないニャ。魔王を倒すためには先立つものがわらわらには必要だったニャ。あっお姉さんこっちもビールと唐揚げひとつニャ」
「だからってごくごく、他人から物を盗むなんてもぐもぐもぐ、犯罪、ごくごく、なんだぞ。ぷはあ。お姉さんおかわりー。」
「大丈夫ニャ。もぐもぐもぐ。この始まりの町マシュロンとやらは。ごくごくごく。広い町じゃ。もぐもぐ。もしガブリエルが見つけようとしても見つからぬわ。それにガブリエルは高レベルの冒険者。ごくごくごく。みたところ低レベルの冒険者しかおらぬこの町にはよりつかぬはずニャ。お姉さんこのモンスタービックフライひとつニャー。あとビールおかわりニャー。まあなんにしてもわらわは装備が手に入ったし、当分の金銭もできた。これでハルの装備も買えば、いよいよ本格的に冒険ニャ。もぐもぐ」
「助けてくれた騎士様の盗んだ金で冒険かー。いいのかなー。」
「大丈夫ニャって。肝っ玉が小さいのお。ハルはニャ」
「お前がめちゃくちゃすぎるんだよ」
「いうても、ガブリエルから盗んだ金で酒とごはんをこうして食ってる時点でお前も同罪ニャあきらめろニャ。はらくくれニャ」
「くっ。空腹には勝てなかった!それにここの飯うめえな!!」
「それよりももっかの目標は魔王退治ニャ。おそらくこの世界で魔王退治しないとおとどちゃんはたぶん東京もどれないニャ。」
「お前は魔王退治したら東京戻れるだろうけどおれはどうなんだよ。トラックにペシャンコで即死なんだぜ。パチンコ屋の前でサイフ握りしめて。」
「・・・・・・・あきらめろニャ。あきらめて魔王退治ニャ」
「あっそ。じゃあ魔王退治おれキャンセル。もうこの世界で普通に暮らすわ」
「なぬ!!魔王退治せぬともうすかこのくそITいいいいいいい。」
「だっておれになにひとつもメリットないじゃないかクソ妖怪いいいいいいい。お前がおれの部屋に降臨してからもう散々だよ。散々んんんん。まだお前とあって2日だぞおおおお。2日なのになんだこの人生の苦労がまとめて押し寄せてきた感じわああああああ。」
「おぬしがわらわを異世界の特典やらにして巻き込んだんじゃろがぼけえええええええええ。うむ、メリットか。メリットニャ。ならどうだニャ。この世界の魔王を退治して東京に戻り、わらわが功徳を積みて天界に戻ったあかつきには猫神のわらわの口添えでおぬしをこの異世界から天界に召し上げようぞニャ。」
「おれが天界!まじかそんなことできるのか!!おとど!!」
「わらわはこう見えても天界においても命婦。官位五位にして天宮の昇殿を許されし雲上人(くものうえびと)ならぬ雲上猫(くものうえねこ)。天界の宮内の宮仕え。わらわはとっても偉いニャ。ツテとコネでいくらでもお前ひとりぐらい天界にあげれるニャ。」
「まじか!!おとどそんなに偉いのか?えじゃあなんで地上に落とされたの?」
「・・・・・・・・ちょっと天界で悪さがすぎただけニャ
「ジー。」
「心配するニャ。天界戻ったらほんとにハルを天界に引き上げてやるニャ。!なんなら誓(うけい)をかわすかニャ?」
「誓(うけい)?誓(うけい)ってなんだ?」
「はやい話が契約書ニャ。」
「・・・・いいよ。そこまでしなくても。お前が嘘ついてるとは思ってないし。じゃあ魔王退治したらおれの天国行きよろしくたのむぜおとど!!」
「わかったニャ!!約束ニャ!!一緒に魔王退治の冒険にゃー!!」
「よしならさっそくこの金でおれの武器と防具を買いに・・・・」
居酒屋の扉が凄い勢いで開く ドタンっ!!
「みつけだぞおおおおおお。この盗賊どもうううううううううう。あっそれわたしのサイフ!!」
「げっガブリエルさん!!」
「騎士のくせに有り金と防具と馬をとられたぐらいでここまでおいかけてきたニャか。みみっちいやつニャ」
「わたしの馬がこの酒場の近くにつながっていたからもしやと思ってきてみればあああああ。どうやらあたりだったようだなああああ」
「さわがしいやつニャ」
「あっそれわたしの防具と剣!!かえせええええええええええ。泥棒ううううう。」
「いだだニャ。これはわらわのニャ。証拠はあるのかニャ?盗んだという証拠だせニャ証拠ううううう?」
「証拠ならある!鎧にも剣にもサイフにもガブリエルと書いてある!!見てみろ!!」
鎧の首のあたりに確かにカブリエルと書いてあった
お財布の裏にもガブリエルと書いてあった
剣と鞘にもベルトにも確かにガブリエルと書いてあった。
「騎士のくせに自分の持ち物に名前全部書くとかお前恥ずかしいやつにゃ!」
「黙れこの盗人獣人族!!わたしは子供のころから自分の持ち物には名前を書かないと気がすまない性分なだけだ!!!」
「みみっちいニャ」
「みみっちいいうなあああああああ。まあいい。この最強のパラディン。ガブリエルクラウディウスから盗みばたらきをしたこと後悔させてくれる!!」
ガブリエルは剣を抜く
「ぎゃああああガブリエルさんおちついておちついてえええええ」
「問答無用覚っ・・・!!」
「おとどちゃんテイム!」
「」
おとどがテイムをかける。するとガブリエルさんはまたあーうーあーうーいうゾンビのようになる
「おすわり」
「あーうーあーうー」
ガブリエルさんはおとどのいう通りおすわりをする
「その剣をおいて犬の真似をしてよつんばいになってそのへん散歩してくるにゃ」
ガシャン。ガブリエルさんは剣をおいてよつんばいで犬のようなかっこうで酒場の外にでていった。おとどはガブリエルさんの落とした剣をおれに差し出す。
「ハル。お前の剣もゲットにゃ!!」
「いやおれウイザードだから!!ってどうするんだお前えええ。お前のテイムは人間に五分だけしか効かないんだろうううう?しかもバッチリ記憶が残ってるっていうううう。」
「とりあえずまだ食事の途中ニャ。またガブリエルが戻ってきたらまたテイムかければいいにゃ。格ゲーでいう無限ハメ殺しニャ。」
「・・・・・・・・・お姉さんビールおかわりー!!」
「おかわりにゃ!!」
五分後
「ぜえぜえ。きさまらあああああああ」
「テイムにゃ」
五分後
「ぜえぜえ よくもおおおおおおおおおお」
「テイムにゃ」
五分後
「ぜえぜえ ゆるさんぞおおおおおおおおお」
「テイムにゃ」
五分後
「ぜえぜえクラ・・・ウディウス家の・・・ぜえぜえ 名にかけてええええええ」
「テイムにゃ」
五分後
「ぜえぜえ わたしと ぜえぜえ 勝負しろ はあはあ」
「テイムにゃ」
「あっお会計お願いしまーす」
「しますニャ」
「けっこうがっつりくったなあ。今日の宿屋さがさないとなー」
「そうにゃー。あの宿とか良さそうにゃー」
「おっほんとだな・・・」
「人を操る珍妙なテイム魔法でえええええ卑怯だぞおおおおおおお正々堂々とたたかええええええええわたしと勝負しろおおおおおお」
おれとおとどが振り返るとガブリエルさんがものすごく遠くから物陰に隠れてこっちに叫んでいた。
「テイム届かないか?」
「届かないニャ」
「近づくか」
「近づくニャ」
おれとおとどはガブリエルさんに近づく
「わああああああ近づいてくるなああああああああうわあああああああ。卑怯者うううううううう。あああああああ」
「あーうーあーうー」
「でもどうするんだ。いくらお前のテイムでハメ殺しできるからってこう五分置きにこられたんじゃおちおち宿屋で寝てもられないぞ?」
「考えがあるにゃ。」
「考え?」
「ん、ここは?部屋の中。わたしはあの獣人と人間の盗賊どもにまたテイムをかけられ手足を縛られて、んっ!!縛られている!!」
ガブリエルが目を覚ますと部屋の中で縛られていた。
「安心しろニャ。ここは宿屋の部屋ニャ。もっともテイム中の記憶は残ってるはずニャ」
「くっ縄をほどけ卑怯者!!」
「まあ待つにゃ。ガブリエル。お願いがあるのニャ。それを聞いてくれたら解放してやるニャ」
「願いだと!!盗賊の願いなんぞ聞くわけないだろう!!」
「仕方ないニャ。テイム!!」
あーうーあーうーあーうーあーうー
「戻ったぞーおとどー」
「例のものはもらってきたかニャ?」
「ああばっちりだ。」
ガブリエルが目を覚ます。そして顔が青ざめる。
「お前たちなんてことをしてくれたんだ。なんてことを。・・・・」
おとどとハルの手には魔導誓約書が掲げられている。
「テイムで操られてるわたしに魔導誓約書で誓約をさせるなんて。パーティーの仲間になる。裏切れば地獄の業火で焼かれて死ぬという誓約をおおおおお!!なんてことをしてくれたんだ。なんてことを。」
「今日から俺たちはかけがえのない仲間だ。おれの名前はハル。職業はウイザード。ガブリエルよろしくな!!」
「わらわらは今日から大切な仲間じゃ!!わらわの名前はおとど。職業はテイマーガブリエルよろしくニャ」
「よろしく!&よろしくニャ!!(にまあ。)」
「くそがああああああああああああああ。」
隣の部屋「うるせえええぞおおおおおおおごらああああああ」
おとど&ハル&ガブリエル「あっすみません。にゃ」
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