第4話「魔女っ子の仲間」
「ライトスラッシュ!!」
「がんばれーガブリエル」
「がんばるにゃー」
おれハルとおとどとガブリエルはモンスターを倒して経験値を稼ぐために草原に来ていた。
「さすが高レベルのパラディンにゃー。もぐもぐ」
「どんどん経験値がたまっていくな。もぐもぐ」
ガブリエルは三角座りで遠目からサンドイッチをたべてる俺たちを睨んできた。
「おいおとど!!ハル!!なんで手伝わないんだああああ。お前たちのレベル上げのためのモンスター退治だろうがあああああ!!あとサンドイッチなんで先に食べてるううううう。みんなで食べようねってさっき約束したじゃないかあああああああ!!」
「あれは冗談ニャ」
「このクソ獣人んんんんんんん!!あと使わないならわたしから盗んだ防具と剣かえせええええええ」
「いやにゃこれはもうわらわのにゃああああああ。!!」
「ええい。もう!!わたしも休憩だあああああ。ハル!茶をだせ。」
「はい。ガブリエルおつかれさん。」
「まったく。お前たちは油断もすきもない。」
ガブリエルをおとどのテイムと宿屋の隣の魔法専門店で買った魔導誓約書で無理やり仲間にしてあれから一週間。最初うだうだ言っていたガブリエルだがなんとか打ち解けてきた。・・・・・・はず
「ガブリエルのおかげでだいぶスキルポイントがたまったなあ」
この世界では念じればステータス画面が出て個人のパラメータを確認できる仕組みらしい。
「なんとか魔法も習得できしたし、これでおれもいっぱしのウイザード職だな。」
「これで魔王退治も道筋がみえてきたニャ。」
「お前たちは本当に魔王退治をつもりなのだな。わたしはてっきり本当にただの盗賊だと思っていたぞ。ひとの防具と馬と金は盗むし」
「はははは。すまん。なりゆきで。文無しだったもんで。」
「ニャ」
「まあいい。だがお前たちは魔王退治、魔王軍退治をあなどっている。ここはとてもまだ平和な場所だ。ここから北東に進むほど魔界に近くなり魔物も強くなる。比較的この近辺のモンスターも弱い。いまのままのお前たちでは太刀打ち出来ない。」
「もっとレベルを上げる必要があるってことか。」
「ああ。はっきりいって今のお前たちではレベルが低すぎる。もっとモンスターを倒したりクエストをこなしてレベルを上げないと」
「そうか。・・・・・よしおとど。飯も食べたしモンスター倒すか!」
「はあ。そうだニャ。パーティー経験値だけだと効率も悪いしニャ。」
おれとおとどが立ち上がったその時
「あぶないおとど!!ハル!!」
ズドーン!!
ガブリエルがとっさに空から降ってきた火の玉を切り払う!!
ウイザード職のおれにはわかるこれは
「火炎魔法だと!!」
「なんニャ!!」
「見つけました。パラディン。ガブリエルクラウディウス。いやクラウディウスのご令嬢。おはつにおめにかかります」
声のする方を向くと空中に杖に乗って浮いている大きい帽子を被った水色の髪の女性がいた。
ガブリエルは叫ぶ。
「さきほどの攻撃は貴様だな。誰だ貴様わ。名を名乗れ!!」
「はじめまして。騎士ガブリエルクラウディウス。わたしは西の闇のキナキの森に住まう青き火の魔女ニキです。」
「青き火の魔女ニキだと!!」
「知っているのかガブリエル!!」
「いや知らん。誰だ」
「知らんのかいいいいいい。」
「わたしに魔女の知り合いはいない。・・・・いや西の闇のキナキの森と言ったか!!」
「確かにそう言ってたがどうしたんだこころあたりがあるのかガブリエル?」
「西の闇のキナキの森はわたしの実家クラウディウス家の領地だ。」
「なんだって。」
魔女ニキが口をひらく。
「あなたのお父上。クレイクラウディウスが西の闇のキナキの森の開発を推し進めております。我々西の闇のキナキの森の魔女一族はあなたのお父上の領地開発を平和的に阻止するべく娘であるあなたを人質にとりにきた次第であります。」
「わたしを人質にしようとしてなにが平和的だ!!クレイクラウディウス家の名にかけてかえりうちにしてくれる!!」
「それはこちらのセリフです。お身柄ご頂戴します。」
ガブリエルと青き火の魔女ニキは戦いを始める。
「くそ。凄い戦いだ。レベルがまだ低いおれたちじゃ間に入れない!!。ここはガブリエルの邪魔にならないように少し離れるぞ!!おとど!!」
おとどはガブリエルと魔女ニキの方を見つめている。
「・・・・・・まったくいつの世も朝廷にまつろわぬ民との戦はたえぬものよニャ。魔王軍しかり魔女しかり。」
おとどはいままでおれに見せたことのない顔をその時していた。
「逃げないのか」
おれはおとどにたずねる
「ここで良いニャ。考えがあるニャ。」
「・・・・・考えもなにもどうせアレだろ?」
「そうアレニャ」
「・・・・・・おれにできることあるかおとど?」
「あるニャ。」
「フレイムボール!」
「ぐあっ!」
魔女キニの炎の一撃を剣で受け止めるが剣から手を離し爆風に飛ばされて倒れるガブリエル。
「口ほどにもありませんね。クラウディウス家のご令嬢はとても強いパラディンの冒険者とおババ様から聞いておりましたがやはり西の闇のキナキの森の魔女一族随一の魔法の使い手であるわたしには遠くおよびませんね。」
「では身柄を拘束させていただきます。バインバインド。」
ガブリエルがツタで縛られる
そして油断した魔女ニキが地面に降り立ちガブリエルに近づく
「いまだフリーズアイス!!」
おれは魔女キニの足を凍らせる
「なっ!!無駄です!!」
魔女キニは炎で自らの足の氷を溶かす。そして一瞬視線が下を向く
その瞬間をみはからっておとどがダッシュする。
「フレイムボーっ」
「遅いニャ!!テイム!!」
「あーうーあーうーあーうー」
魔女ニキはおとどのテイムにかかる。
そしてガブリエルにかかっていたツル魔法がとける
そして気絶したフリをやめる。
「パラディンのわたしの耐魔力でも防げれないおとどのテイム魔法なら魔女にも効くと睨んだ通りだな。」
「なんだ気絶したフリだったのかニャ」
「このニキといかいう魔女を油断させるための芝居だ。空中ではおとどのテイムはとどかなかったろう?」
「ふうなんとかなったな。」
「それにしてもわたしはテイムにかけられてる時にこんなヨダレをたらしてハレンチな顔をしていたのか。恥ずかしい」
「(すでに始まりの町マシュロンではおとどのテイムのせいで変態犬プレイのガブリエルという2つ名がつきはじめていることは黙っておこう)」
五分たってテイムが解けて正気に戻る魔女ニキ
「はっ!!縛られてる!!」
「こんな縄わたしの魔法で!!」
「無駄ニャ。おとどちゃん特性の魔封じの御札をお前のオデコに貼ってるニャ。念には念を入れて縄もおとどちゃん特性の注連縄ニャ。魔法は絶対に使えないニャ」
「わたしをどうするつもりですか!!」
「・・・・どうしようか?」
「どうするニャ?」
「とりえずわたしのお父上にでも・・・・・」
ぴぴぴぴぴぴ
魔女ニキに魔導通信が入る
「あっようやくつながった。ニキちょっと聞こえてるー中止だって中止ークラウディウス家のお嬢様の捕獲作戦中止だってー。うわあんたなに負けて捕まってるのうわちょーださw」
「え!?中止ってどういうことよエルネ!」
「なんかねさっきね。おばば様とわたしたちのところにクラウディウス家の使者のひとが森の開発の保証のことで説明しにきたんだけどね。なんでも王家が主導しての一大事業らしいからクラウディウス家だけじゃなくて王室からもすごい保証が魔女ひとりひとりにでるんだって!!」
「・・・・・・えマジ!!」
「マジマジ!!それだけじゃないんだよ!!驚かないでよ。立退き希望者には王都の永住権も貰えて王都の一等地にお家も貰えるんだって!!」
「え?うそでしょ?え!え!きゃあああああやったあああああああセレブじゃんんんんnあたしらああああ」
「あんた言ってたもんねー。王都で暮らすのが夢だって。反対するおばばとクソ森燃やしてやろうかなって。やったね。あんたの夢かなうねニキ!!」
「きゃあああああ夢みたいいいいいいいいい夢じゃないよね!ね!くそ森万歳!!」
「ということでクラウディウス家とおばば様が正式に立退きの調印したからすみませんがうちのニキ返してくださいね。ご迷惑かけてすみませんでしたクラウディウス家のお嬢様とオトモのかた。では失礼しまーす。」
魔導通信が切れる
「はあ王都の夢のセレブ生活かきゃあああああやったあああああああああ。とうことで縄解いてくださーい。みなさんごめんね。はあああああ王都楽しみきゃあああああああ」
ガブリエル「・・・・・・・・」
おとど「・・・・・・・・・・」
ハル「・・・・・・・・・・・」
さっきまでのなんか魔女っぽいキャラはもうどこにもなかった。
そしておれはこのこの世の絶頂を迎えて魔女のキャラを忘れた立退きセレブ成金の女に嫉妬の炎が燃え上がった
「・・・・・・・おとど」
「はいニャ」
「テイム!」
「テイムニャ!!」
「きゃ!あーうーあーうーあー」
「くそ。手元に魔術誓約書がない!あれ高いんだよなー!」
「まかせておけ。わたしだけお前らの犠牲者になるのは嫌だからいつかは新しい仲間を道連れにしようと魔術誓約書を買い占めておいたのだうひひひひひ」
「さすがガブリエルニャ」
新しい立退きセレブ成金魔女っ子の仲間が増えました。
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