第34話 イケない瑠美先生
「暑いわねぇ。服なんか着てられないわ」
"パサッ"
「ブッ?! ちょ、ちょっと何やってんですか!」
頭上からシャツが降ってきた
「脱いだのよ」
「もうクーラー効いてます!逆に涼しいぐらいですよ!」
部屋に入って来た時とは違い、現在は結構涼しくなっている。服を脱ぐ必要はない。
「降ろしますからすぐに着てください。それに風邪ひいちゃったらどうするんですか」
見上げたらおっぱいと睨めっこしてしまうので、下に落ちたシャツを見ながらやんわりと嗜める。
「養護教諭が職場で風邪……ウケるー」
「…あんた酒でも飲んでたの?」
「ひどい!私は露出狂じゃないわ」
「俺、そんなこと一言も言ってないですよね?」
「誰がビッチよ!」
「言ってねーよ!」
「……るみたんって呼んで」
「話し聞けよ!って、うなじに擦り付けんな!!」
ドコを擦り付けられてるかは言えないが!
……
(バトル中)
…
「はぁはぁ……ごめんなさいね。」
「はぁはぁ。いえ、こちらこそ手荒な事してすみません」
いくら手荒な事をしたとはいえ相手は女性。
ましてや素手でクマを殺せる俺が、本気を出して抵抗したわけではないが…
「ちょっと興奮しちゃって。だってご無沙汰なのよ私、あっ
「その情報いらないな!」
『あっ』って何だよ『あっ』って。
職場で発情すな!
他の先生方が戻って来たら…いや、それより生徒が来たらどうすんだよ。出勤初日にクビは嫌だぞ
「とりあえず!誰かに見られる前に服を着てください、服を!」
「……減るもんじゃないのにぃ?」
まあ!なんて男寄りのセリフでしょうか。
知的で魅力ある大人の女性が、キャラが変わった様にグイグイ攻めてくる。このギャップは嫌いではない。むしろ好きだ。
フーコ達が居なかったら俺はこの人に攻略されちゃったかも。
(しっかし、どことなく蜜葉に似ているな)
見た目や仕草じゃない。なんだろう……雰囲気?
そう、雰囲気だよ!
言葉で表現するのは難しいが、この人から出てる雰囲気っつーのか、それが似てるんだ。
「全然物足りないけど、、仕方ないわ」
「セリフおかしくね??」
俺がしゃがむ前にブツクサ言いながら痴女が纏わり付く様に降りようとする
「よっ、と!」
「………ふぁんで?」
「えっ?何?」
「ふぁんで……えーい苦しい!」
顔についたおっぱいを剥がす
「なんで前側に廻るんですか?!普通背中から降りるでしょう!」
「はー…。もうちょっとだったのに!イケなかったわ…残念。」
「マジで大丈夫か?」
……
…
「もう!家礼先生ったら。こんなに硬くしちゃって❤︎」
「あんたが乳首を捏ねくり回してるからだろ!」
誤解がないように言っとくが、股間の話じゃねーからな!
「なんだかんだで先生も実はちょっと期た…ひっ?!」
「痛っ!」
突然ビクッとする松本先生。
コイツ俺の乳首を抓りやがった!
「あ、あ、あぁっ?!」
「ど、どうされました?」
「これは……あの…違うんです!」
「えーと…。何がだよ?」
挙動不審になる松本先生。
キョドリ方が半端ないし、そもそも俺を見ていない。とゆーか、視線が俺の後ろにいってるような…
「朝っぱらからおっ始めるのかしらシュウ?」
「へ?」
とてつもなく怒りを含んだ声が聞こえて振り返ると、そこには鬼の三人衆がいらっしゃいました。
「そこになおれー!!!」
これはBOSS鬼のセリフ。
♦︎
「やましい事なんかこれっぽっちもありません。棚のファイルを取ろうとする過程においてですね…むしろ自分は被害者いいm
「マスター、見苦しいです!」
「いやマジで。自分は悪くないと思うんでs
「先程も同じ事を言いましたよね?修様」
「くっ…」
現在俺は三人衆の眼下で正座をさせられている。
もう一人の…加害者の松本先生はしれっと服を着ると、飛び出すように部屋から出て行った。一緒に謝るどころかフォローすることもなく。
あんちくしょう!あの人のせいで最悪だ。
"グリグリグリグリ…"
「…あの…フーコさん?地味に痛いんで、ほっぺに魚肉ソーセージをグリグリすんのやめてもらえます?」
ア○リカのチンピラ警官バリにガムを食っちゃ食っちゃしているフーコにお願いする。
目をごっついサングラスで隠しているのが少しムカツク。
"ぷっ!"
「こらフーコ!ガムを部屋ん中で飛ばすんじゃない!」
「これはサラミよシュウ」
視線は隠れているが口元がニヤリと吊り上がる。
「魚肉だろうがサラミだろうが、そんなんどーだっていいんだよ!」
「どーでもよくない!だって味が全然違うんだよ?」
『分かってないわねー』とフーコは呟きながら表面の薄いビニールを剥がしてポリっと齧る
「歯応えも見た目も……ん?見た目?
…えーと、コレって動物のおちん○んみたいで何かイヤ!」
自分で言って気分を害するフーコ。
コイツ、脳内でどんなアホなことを考えだした?
「風ちゃん顔が真っ青!」
「ダメぇー!私のお口はシュウ専用なの!パトラッシュは受け付けないよ!」
「風子様。それはこの蜜葉も、です」
「………」
「下半身の毛は股間だけにしてー。全身毛まみれはイヤァァァアーー!」
「風ちゃんしっかり!」
「私は股間がツルツルになった修も捨て難い」
……
…
「おーい。コントやってるとこ悪いんだが、そろそろオチつけてくれねーか?」
俺はいつまで正座をして、フーコ主演の三文芝居(?)を見なくてはならないのだろうか。早いとこ説教?取り調べ?を終わらせてほしい。
それにちょっぴり足が痺れて来たんだよな
「犬は!犬のお○んちんは嫌ー!」
「「えっ?!犬っ?!」」
「獣姦ですか。それはなんとまた…」
暴走中のフーコ。そして爆走中だ。
どっからそんな発想に飛んだ?
『すげーな』と、俺はコイツの想像力を感心していたら、フーコは「うっ」と慌てて両手を口に当てた。
「……ぎもぢわるい"〜 "ゲロゲロゲー"
「うっ?! わ"、私も… "ゲロゲロゲー"
「あらま。沙織様、風子様につられて貰いゲロですか?それじゃあ私も!
"ゲロゲロゲー!"
お前らなんで口から手を退けた?
「で。着地点はこれな…」
運悪く(?)俺を取り囲んでいた為、三人の朝食+サラミ一口分がゲル状でビチャビチャと俺にかかる。
特に正面の元凶は酷え!!
意図してやったんじゃねーのだろうが、俺の鼻にサラミのカケラをぶっ込んで来やがった!臭え!!
「お前たち……何か言いたいことがあるか?」
「「「……」」」
「あるよな?…ぜってーあるだろー?
社会人だし常識を知ってるなら当然だよなー?」
ゲロ塗れの俺は三人を睨む。
しかし元々、三人に非はない。どちらかと言えば俺の方に問題があった。(不本意ではある)
だから俺がここで怒るのは御門違いかもしれねーが…それはそれ。
すると、フーコが口を開いた
「朝食がもったいないね!」
「「………」」
「違うよねー。その台詞は正解じゃないよねー」
むにゅっとフーコの両頬を引っ張ってやる。
謝罪の言葉を期待した俺がバカだった。
「トイレで体を拭いてくるから後片付けしとけよ」
自分の汚物は自分で片す。そりゃ当然だ。
三人を後目に部屋から出ようとスパーンとドアを開けた。
勢いよく開けてしまったのでビックリしたのだろうか、驚いた顔の松本先生が目の前に立っていた。
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